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~ワックスの味は、蜜の味。[思いもよらぬ来訪者たち]~

 2022年12月、前半は寒波来るものの、スキー場には降ってくれないという滑り出しであった。現在、徐々に降雪が増え無事オープンできたスキー場も増えてきた。その中で私も開発したスキーワックスの実証試験へと移行していっている。

 今回は試験内容報告前に、試験室(ただのベランダ)で起こった事件を報告しようと思う。

 私が開発するワックスは「生分解性がよい事」、「天然由来成分を使っていくこと」を基本方針としている。ワックスで使えるよう天然成分は比較的限られる為、配合率や添加手順が重要になってくる部分が多い。

 その天然成分の一つに『蜜蝋(ミツロウ)』がある。蜜蝋とはミツバチが巣を作る際に分泌するもので実はエステルや炭化水素などが複雑に含まれている。
蜜蝋は古来、パラフィンワックスの代わりにロウソクにも使用されていた。スキーワックスにも使用されていた記録がある。その為、天然系のスキーワックスを構成する際には持ってこいの成分である。ただし粘りやベタツキがあり扱いにくい素材でもある。滑走性能もそのままではパラフィン系ワックスに大きく劣ると私は考えている。

 私が調べる限り多くのナチュラル系ワックスは、蜜蝋を使用している。なぜわかるか?
厳密に赤外吸収分光法(IR)をかけるまでもない。匂いだ。

 蜜蝋には独特の甘い香りがある(ハチミツの香りを濃くしたような感じ)。精製の度合いによって程度に差があるがこの香りのマスキングは難しいし決して、悪い香りではないと自身は思っている。

 春~秋にかけてベランダ試験室で作業を行っていると時々、びっくりする事がある。この香りにつられ、ハチや小さめの昆虫も訪れてくるのだ。
一番驚いたのはホシホウジャクだ。あのクラスの大きさが突然近づいてくるので私も戸惑った。最初は偶然かと思っていたが何度もこのような現象に遭遇する為、最終的に蜜蝋の香りであろうと判断している。

 これをデメリットとして感じる人いるだろうが、昆虫も身近に感じてくれる良い素材だと考えている。
余談だが飛んで来ないが、蟻も寄ってくる。放置しておくと彼らにワックスを奪われてしまうのでこちらも必死だ。

 限りある素材をうまく使いこなし、森にもスノーヤーにも優しいワックスを作り上げていきたいと思う。

自分も楽しもう。
 

#スキー場 #スキーワックス #スノーボードワックス #環境  #自然



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