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割り箸問題

レジ袋有料化は意味がないとかあるとか、議論されていますね。実際どうなんだろう?

私が思い出したのは、かつての割り箸排斥運動です。これは、無意味だった。
それどころか、日本の森林保全の問題から言えば、致命的にマズかった。

なぜか?

日本の国土の約7割が森林であることはご存知でしょうか?これはフィンランドにつぐ世界第2位の割合です。

そのうち4割ほどが人工林です。
つまり、林業のために人が育てている森。

人工林では、人が木を植えます。
数年後に「間伐(かんばつ)」といって、間引きをします。
これをやらないと、木が互いに日光を遮って、ひょろ長い木ばかりになります。
ひょろ長い木は根が浅いままです。

山の斜面は、木が根を深く張ることで形を保っているため、根が浅い木ばかりだと、土砂崩れが起こりやすくなります。結果、ハゲ山になる。

「間伐」には人手もお金もかかります。機械ではできないからです。そのコストを稼ぐ有効な手段が、間伐材を利用した割り箸でした。

しかし割り箸排斥運動で壊滅的な打撃を受けた割り箸製造の零細企業は軒並み倒産しました。

そのため間伐材の利用先がなく、コストを捻出できないため間伐が十分に行われていません。近年の大雨も伴って、土砂崩れは増えています。

なお、いま流通している割り箸は、竹製が多いです。竹箸は環境負荷は低いのですが、森林生産のサイクルの一環を担っていた間伐材の割り箸よりエコとは言えません。マングローブ林を伐採したものよりはずっと良いですが。

割り箸排斥運動は「実のない」「パフォーマンスでしかない」エコ運動でしたが、これを主導したのは民間の大手居酒屋チェーンでした。

レジ袋有料化はこのような根拠のないものではないのだろうと思います。

でも、一般人からしたら、実際はわからないですよね?
だから、私が社会人として思うことは、「実のない」「パフォーマンスでしかない」、「でもそれっぽいので一般人は信じる」ようなメッセージを発信してはいけない、ということです。世間は簡単に騙せてしまう。このことは肝に銘じておきたい。

ちなみに間伐材の有効な利用先はさまざまな角度で検討されています。

木質バイオマス燃料、CNFなど、先進技術への利用が期待されています。

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