カサンドラの妻たちへ④
一度闇に堕ちると、よせばいいのに、日頃蓋をしているまだ癒えてない傷を、瘡蓋をめくるかのように、また開けてしまうのです…
謝らない相手、話し合いができない相手なので、新しい傷はどんどん増えても まだ癒えていない傷だらけなのです。
前にこんなエピソードがありました。
三女と2人で夫のかかりつけ医を受診したことがありました。
インフルエンザのワクチンを夫が予約してくれたからです。
そういう手間のかからないことは、よく気がつくし、よくやってくれるのです。
だから世間はとても良い旦那さんと思っているのです。
私からするとそれがまたストレスなのですが。
診察室に入って開口1番、夫の主治医から「旦那さんから聞いたけど、猫飼うって? 旦那さん、喘息やのに? それはちょっと酷い、アカンことやと思います」とdisられ始め
次いで「旦那さん、家ではいつも怒られる、怒られてばっかりって言ってはるけど。」と、チクチクと言われました。
ことの真相を知らない人に、こんな風に色々と言われて、凹むわけですけど、10年前ならただただ凹んでいたわけですけど、娘もいる手前、あんまり好き勝手なことを言われているのを野放しにしておいても、教育上良くないわけです。
ですから、「先生。お言葉を返すようですが。家に猫を入れるのは、もうちょっとよく考えよう? という私の言葉を全無視して、猫を家に入れたのは、彼ですからね?」とだけお伝えすることにしました。
日頃夫と仲良くして下さっていて、心のケアもしてくださっていたようなので、それを聞かされても、先生も受け入れ難かったようで、「??それだと、まるで、話が違う。旦那さんはそんなこと一言も…」 「だから、怒っているんです」と言う私の言葉を、にわかには受け入れられなかったらしく「いや、それでも猫は…」と言われていました。
後日、未接種だった次女をつれて行きました。その時にもまだ、半信半疑だったのか、「旦那さん、あれから何度か来てくれているけど、自分が猫を入れたなんて、やっぱり一言も…」と、到底信じ難いという目つきで私を見る先生に、次女が「ほんま最低やな、アイツ」と言い放ちました。
それを聞いた先生は、目を見開き、ギョッとした顔をして、話の真相をご納得したようでした。
その後おもむろに「お母さん、じゃあ、お母さんは。お父さんと、子どもが3人と、、」「猫2匹です」「、、、大変ですね」と言われていたので、きっとわが家の状態を察知されたのだと思います。
この時たまたまインテリジェンスの高い方でしたので、ご理解いただけてスッキリとした想いが訪れたわけですが、多くの方は、夫のそういう部分に気が付かないままで、私の人格こそが破綻者だと思われているわけです。
世にも奇妙で怖い話です。
家が最近前にも増して散らかっているのは、猫が壁紙を引っ掻くからです。
また、私はネコアレルギーがあります。
つくづく、やってられない話です。