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カサンドラの妻達へ
私はカサンドラ症候群である。
だけども大きな声でそう言うことは憚られる。
何故ならそれは「相手」をも地獄に突き落とすことになるからに他ならない。
「相手」というのは、カサンドラ症候群になっている元凶であり、その相手なしではカサンドラになり得ることがない人物のこと。
カサンドラ症候群になっている人を苦しめている相手は他でもない人生のパートナー、特に夫であることが多い。
相手が上司や親、妻である場合は夫を置き換えて読んでもらいたい。
ここではタイトルの性質上、相手が夫であり、カサンドラが妻の場合を想定して話を展開することとする。
私がカサンドラであるということを世に伝えるということは、運命共同体であるはずの夫、「できることなら」支え合っていきたい相手であるはずの夫を、ある意味で裏切ってしまうことであり、世間からのバッシングに晒すことと同意になり得る。
このようなジレンマにより、多くのカサンドラたちは、今日も眠れぬ夜を過ごしていることだろうと思われる。
おそらくカサンドラの妻たちは、夫と別の道を歩むと決意をした場合でない限り、相手と生きていく限り、カサンドラ症候群の各種症状と生涯向き合っていかなくてはならないだろう。
変わらない相手がいる限り、根治は難しいながらにも、あれやこれやと模索することで、何か一つでも好転させることは出来るかもしれない。
相手が変わらずとも、自分を柔軟に変化させることで、少しは症状を和らげることができるかもしれない。
そんな可能性と活路を見出したく、ここに一つの道標を掲げて共有し、心の負担を少しでも軽くしていけたら。そんな試みをここでは綴っていきたい。