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嫌われ者の蕗、しかし青くて美味しい
2015年5月26日
もうじき午後4時を打つかという頃に、汚れてもいい服に着替え、鍬やスコップを持って作業途中の現場に向かうと、顔馴染みのご夫婦が犬の散歩で通り掛りました。
我家には昨日頂いたばかりの瑞々しい蕗がひと抱えもあって、その一本一本が長さ1メートル、太さも親指程あり、どうしたって自分だけで消費するのは不可能な嵩でした。
挨拶もそこそこに、蕗を貰っては頂けないかと訊ねると、奥さんは両腕を丸く広げて、
「うちもこんなに貰って困ってんのよ」という。
それからしばらく、どう調理したら蕗を美味しく食べられるかを語り合っていたところ、犬を3頭引き連れて、次のターゲットが現れました。
犬同士の挨拶が済んだところで「蕗、如何ですか?」と訊ねるも、
「庭に一杯生えているから要らない」
そこから話題は犬の予防接種のことで持ちきりになり、またしばらくすると次のターゲットがやってきました。
挨拶を交わし、軽く近況など伝えあった後
「蕗、食べませんか?」
「要らねえよ、ありゃあ皮を剥くのが面倒臭いんだよなあ」
これだけの人間が居ても誰ひとり蕗をよろばないなんて、蕗が不憫に思えてきて、ならば腐らせぬよう少量ずつ調理して、たとえ全部は無理でも食べられるだけ食べていこうと思ったのもつかの間。
少しでもノルマを減らそうと、頂いた半分の量の蕗を抱えて近所のお宅へと向かうことにしました。
この抱えている蕗の全部とは言わず、一部だけでも貰って頂けたら幸いと、祈るような気持ちで伺ったのに、この日に限ってお留守。
蕗を抱く肩を落としながら帰路に着いたのでした。
くるんでいた新聞紙も皺くちゃの千切れ千切れになり、心なしか蕗も疲れた様子です。
その晩金平を炒めながら、束から蕗を一本抜き取り、急いで皮を剥き小さめに刻んで鍋に放りました。
折角頂いたんだから、新鮮なうちに少しでも調理しておこう。
蕗からは大量の水分が出てきて煮詰めるのに苦労したけれど、口に入れると蕗独特の青い香りがして、ああ蕗も悪くないなと思ったのでした。
しかしどうしたものか、大量の蕗・・・。
翌朝早くにニホンミツバチのKさんが葉物を持って訪ねて来てくださったので、懲りずに「蕗は・・・」と切り出すも要らぬとの返事。
今回作ったのは・・・ふきとごぼうのピリ辛炒め
用意するもの
ふき (太めなら2本、細めなら3本くらい)
ごぼう 1/2本
ショウガのみじん切り 少々
ごま油 大さじ1
唐辛子 種つきの輪切り
調味料
昆布だし 1/2カップ
しょうゆ、お酒、 みりん 各大さじ1
(蕗の下ごしらえ)
蕗に塩をまぶして、まな板の上で転がしたあと、数分間茹でたあと皮をむいておきます。
材料を炒めたあと、調味料を加えて水気がなくなるまで炒めます。