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ダヒ・ヨーグルトで発酵生活
2015年12月26日
先日、衝動買いをしました。
アマゾンで見つけて、パッケージタイトルを読むや「ほしい!」「ポチッ」で、その翌々日くらいに届いたのがこちらです。
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ダヒー(Dahi)というのは、インドで主流のヨーグルトのことです。
デザートというよりは、香辛料で熱くなった口の中を冷やすために、カレーに添えられていることが多いです。
また、料理に加えたり、ヨーグルト飲料のラッシーにしたり、甘くして食べたりもします。
自分で作ることのできるヨーグルトはいくつかありますが、有名どころではカスピ海ヨーグルト(viili)でしょうか。
最近ではケフィアの方が人気ですかね。
あとはギリシャヨーグルト、それにダヒーなど。
これらのヨーグルトはそれぞれ含まれる菌の種類と数が違うのだそうです。
あまたのヨーグルトの中から気に入ったものを選んで、そしてタネとなるひと匙のヨーグルトが手に入れば、めでたく自家製ヨーグルト生活がはじまるのですが、昔のひとは苦労したみたいです、ほんのちょっとのナマのヨーグルトを手に入れるのに。
現代は便利になりました。タネ菌がネットで買えるのですから。
自分はただインドというだけでダヒーを選びましたが、調べてみるとケフィアもなかなか良さそうです。
ケフィアは哺乳類のミルクだけでなくココナツミルクや豆乳なんかでも発酵するというから、ベジ(Vegan)の人向けですね。
(今回購入したダヒ・ヨーグルトも豆乳で作れると書いてありました。)
スポーツをする人ならば、ギリシャヨーグルトが良さそうです。
同じ量のギリシャヨーグルトとダヒーを比べると、ギリシャヨーグルトにはダヒーの約2倍のプロテインが含まれるという研究結果もあります。
菌からヨーグルトを自作する方法
そういえば「ダヒーをぜひとも自国の自宅で作りたい!けれどタネが手に入らない」という人のために、80年ほど前にイギリスで初めてのインド料理本を出版した、エドワード・パルマーさんという人が紹介した方法というのが、タマリンドとミルクを混ぜて数日間放置するというもの。
ややトリッキーです。
ですが、祖母(インド系)からこの方法を教えてもらったというアメリカ人も居るので、インドでは伝統的手法なのかもしれません。
または、唐辛子のヘタと茎を10-20本ほど温めたミルクに混ぜて保温しておくと、しっかりと固まったヨーグルトになります。
この二つは実際に試した人がいて、その実験の写真を見ましたが、みごとにヨーグルトぽく固まっていて、自分でもやってみたくなりました。
それから有名なのか?分かりませんが、アリの卵やアリの巣の土を使ってスターターを作る方法もあるそうです。
昔のトルコやアメリカではポピュラーだったらしいですけど、アリはちょっと嫌ですね。
ビーガン向けのヨーグルトとして日本では、植物性乳酸菌であるラブレを、同名の飲料製品をスターターにして培養したり(これは菌から自作ではないですね)、やはり菌を自給したいのならば、お米のとぎ汁と豆乳で乳酸菌を作ってスターターにする方法も有名です(こちらは賛否両論)。
脈絡もなくダヒーとヨーグルトについて書いてきてしまいましたが、さいごに肝心のダヒーのお味を・・・
酸味が少なく、粘りけもない、あっさりした「とっても新鮮なヨーグルト」という感じです。オイシイです。
かっちりと固まるときもあれば、水分多めになるときもありますが、どちらの場合もよく振るとラッシーになります。濾してチーズ風にするのも美味しそう。(※)
ダヒーの発酵温度は15度から40度くらいです。
冬はちょっと厳しくなりますが、ストーブの上に吊るしておくと、朝には固まっています。
ちなみに「牛乳」ではなくて「乳飲料」で作ってみましたら、ラッシーになりました。
説明書に書いてある、固まる条件を満たした乳飲料だったのですが、やはり牛乳にはかないません。
(※)2016年5月 追記
「濾してチーズ風」にしてみましたら、ノドが乾くほどに濃厚なチーズになりました!ダヒーはもともと酸味が少ないので市販のヨーグルトを水切りしたものと比べて、よりクリームチーズ風になったと思います。
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ダヒーこぼれ話
1 南インド料理「ムット」
ダヒヨーグルトのサイト内、お客様の声のところで、えがおで製品を紹介しているのが、以前たまにランチを食べに行っていた南インド料理のお店「ムット」だったのでおどろきました。
ムットでダヒーを食べた記憶があるようなないような、だけど、ヨーグルトまでこだわっていたなんて、ちょっと感動しました。
ムットのランチ、オイシイ&安くてオススメでございます。
2 ダヒーの正式レシピ
インドのシェフによるダヒの正しい作り方によれば、使用するミルクは一度沸騰させ、30-40度に冷ましたものを使い、ダヒー菌が活動しやすい温度である30-40度を保つようにするとのことですが「ダヒ・ヨーグルト」のタネ菌は常温のミルクに混ぜるだけでいいとありましたので、より簡単に作ることができます。
3 Strength Vary
ダヒーはインドにおいて各家庭でも作られていますが、性質上、菌の強さや含まれる菌の種類もそれぞれの環境で変わってくることが分かっています。
遊牧民、マーケット、家庭と、いくつものサンプルを集めて研究した人もいるほど、その質にバラツキがあるようです。
うちの菌も、他所とは違う性格になっていくのかな。
4 ダヒーの系譜
Kumissという最古種とされるヨーグルトがあります。ロバミルクから作ります。
ケフィアとほとんど同じなのですが、アルコールを多く含む点で異なります。乳製品というかアルコール飲料?
これがチンギスハーンの時代にインドに伝わったというから、Kumissはダヒーの親みたいなもの?