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冷凍庫を使わずに作るアイスクリーム
2016年6月12日
ワイルダーの「大草原の小さな家」シリーズの中に「農場の少年」という話があります。
この「農場の少年」は、他のシリーズとは主人公が変わり、農場に住む男の子と、その家族を主人公にしたものです。
ある夏の日、その男の子アルマンゾと兄妹たちが、親の留守の間に繰り広げた大宴会(といっても、仕事をさぼってケーキを作る・スイカをひとりひとつずつ食べる・キャンディを作るなどですが)のなかで、アイスクリームを作る場面があります。
18世紀を舞台にしたものがたりですから、冷凍庫なんて存在しない時代です。
では、アルマンゾたちは、いったいどうやってアイスクリームを作ったのかといいますと「氷」を使ったのです。
それも冬の間に凍った池から切り出してきて、おが屑を敷き詰めた氷室で保管していた氷を使って作ったのです。
その部分を抜き出してみますと、
ローヤルのあとからアルマンゾは氷蔵へ駆けていった。
ふたりでおがくずから氷をひとかたまり掘りだすと麻袋にいれ(…)手斧でたたいて氷をくだいた。
(…)イライザ・ジェインはミルクとクリームをカップではかり、食料部屋の樽の砂糖をすくい入れ(…)大きな乳桶一ぱいの黄色いアイスクリームのもとをつくった。
その桶をたらいのなかに据え、そのまわりにごく細かくくだいた氷を塩をふりながらつめ、上からすっぽり毛布をかぶせた。
2,3分おきにその毛布をどけて、桶のふたをとり、かたまりかけのアイスクリームをかきまわした。
では、やってみましょう。
時期はちょうどいちごの最盛期です。
この日も桶いっぱい採れましたので、いちごのアイスクリームを作ることにしました。
天気がいいので野外調理です。
用意したもの
・クリーム 200ml
・砂糖 25g
・黄身 1個
・いちご 適量
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使った道具
・泡だて器
・ボウル
・茶筒
・ガムテープ
・茶筒のすっぽり入る容器
・塩
・氷(買い物の際にスーパーで貰います)
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いちごを刻んで、材料をすべて混ぜたものを、茶筒に移します。
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茶筒はフタをきっちりと閉めたあと、防水のためにガムテープで封をしておきました。
茶筒が入る容器(今回はナベ)に氷を入れ、塩を振りかけていきます。
そして、茶筒を氷の中でコロコロ〜と転がします。
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アルマンゾたちと同じように、ボウルにアイスクリーム液を入れて、氷の中に置いておく方法でも良かったのですが、金属の筒をコロコロするとよく冷えると思ったのです。
5分ほどコロコロしたあとは、日陰に放置しておきました。
数時間後、さてそろそろかなと、ひえひえの茶筒を取り出して振ってみますと、バシャバシャと音がします。
完全に液体の音です。
これ以上氷の在庫がなかったので、翌日の買い物で貰ってくる氷を待つことにしました。
茶筒でコロコロ作戦は失敗におわったのでした。
2日目、氷を貰って帰宅したのが夜だったので、その日はアイスクリームを作るのはあきらめて、茶筒を氷の詰まったクーラーボックスの中に埋もれるように入れておきました。
翌日、茶筒を取り出して振ってみましたら、驚いたことにすでにほとんど固まっています。
少し液体の音がしたので、さらに凍らせるべく、こんどは前回のナベよりも大きなアルミ桶に氷と塩を詰めていき、茶筒をセットしました。
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そしてアルミ桶をすっぽり覆うように新聞紙を厚くかぶせました。
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30分後
固まり具合を確認したところ、茶筒を振っても音がしないくらいに凍っていました。
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冷凍庫なしでもアイスクリームができた!
溶け出さないうちに食べます。
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生のいちごから出た水分がシャリシャリしていて「爽(ソウ)」というアイスに似た食感です。でも爽よりクリーミー。
これはキャンプに出かけたときに作ってみたら楽しいかもしれません。
ところでどうして塩をかけた氷はよく冷えるのか簡単に調べてみましたら、
1.氷が溶けるときに周囲のエネルギーを奪う
2.塩が水に溶けるときにも周囲のエネルギーを奪う
その相乗効果などで温度が下がるのだそうです。
1日目、途中で温度を測ってみたところマイナス1度を指していました。
2日目は、アルミ桶の外側に冷凍庫によく見られるような霜ができていたので、1日目よりも低温になったのではないかと思っています。
ふたつの違いといえば、使用した氷(塩も)の量と新聞紙で覆ったことですので、このへんがよく冷やすポイントなのかもしれません。