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胎児水腫、それでも幸せな理由。

胎児水腫の疑い

妊娠16週、産婦人科の超音波(エコー)検査で、赤ちゃんに皮下浮腫や胸水等があり、胎児水腫の疑いと言われた。
その時のことやたくさん調べたこと、色々な可能性については、次の記事に記録しておいた。

赤ちゃんは生きている(抜粋)

赤ちゃんの生命力を信じる
「そうだ、今は、生きている。赤ちゃんは生きているじゃないか。お腹の中にいて見えないけど、生きている!」
そう思えた瞬間、心がぽっと温かくなった。

目を閉じて、ママのお腹に耳をあてて、
優しい心で感じれば、もうすでに、赤ちゃんと一緒に生きていたほろほろと涙がでてきた。
でも悲しい涙ではない。

1日でも長く、長生きするだけが人生ではない。

赤ちゃんと対話しながら、
赤ちゃんがどうしてほしいか。聞いていこう。

パパとママ、息子とお腹の中の赤ちゃん。
もうすでに4人家族だった。

不確実な未来(可能性)ばかりを考えすぎて、今ある幸せを忘れかけてた。今を生きよう。
ありがとう。今ある生、先祖や家族に感謝して。
パパは、君の生命力を信じるよ…

精密検査と不安の波

そして、20週頃に胎児スクリーニング精密検査で、再受診することになっていた。

産婦人科へ到着した。
受付を済ませて、待合室で待つ。
不安な気持ちと祈るような気持ち、いろいろな感情が渦巻いていた。
しかし、検査はその一時の客観的な評価に過ぎない。
今ある現実が、検査結果により変わることはない。
そう言い聞かせて、呼ばれるのを待っていた。

検査室へ呼ばれる。

「旦那様は、待合室で待っていてください。」

看護師にそういわれた。

その瞬間、妻が不安な目でこちらを見た。
「妻がひとりだと不安になってしまうので、一緒に入らせてください。」
すかざず、そう必死にお願いをした。
「精密検査中は、病院のルールでご家族の方はご遠慮ください。」
看護師の乾いた言葉が返ってきた。

少し怒りに近い感情が上がってきてしまうが、ぐっとこらえる。
「妻がひとりだと不安になってしまうので、お願いします。」
わずかな間をはさみ、もう一度お願いをした。
妻が、もういいよと無言で首を横に振る。

しかし、理屈では説明できないけど、どうしても一緒にいなければならなかったので、最後は目で訴えた。

「説明等はいっさいできませんので。いいですか。」
看護師の乾いた言葉がまた返ってきた。

それが一緒に入っていいという言葉であることを、すぐには理解できなかった。
「も、もちろん大丈夫です。ありがとうございます。」

そして、静寂の中、エコー精密検査が始まった。

映し出された画像を、食い入るようにのぞき込む。
妻は不安そうな顔で画像を見つめる。

検査技師は胎児の頭の長さなどを図り、黙々と画像を記録していく。

画像を見ていると、赤色と青色の光が見えた。血液が流れているように見えた、もしかしてと、希望が見えた。

そのあと、心臓のあたりを何度も画像にしてみている。

「先生を読んできますので、このままお待ちください。」

その瞬間、灯しかけた光が、すっと暗くなり、不安の波が一気に襲ってきた。

「どうして、先生を呼ぶんだろう。」

深く考えれば、察することができたと思うが、その時は、本当にわからなかった。
心の準備はしていたはずだが、きっと大丈夫だと思う気持ちが強かった。わかりたくなかった。

先生はなかなか来なかった。

不安の波が溢れてきた。

(つづく)

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