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今だからこそ観てほしい「聞こえた『さよなら』の声」いせひでこ絵本原画展
今年もこの時期、森のおうちでは「いせひでこ絵本原画展」を開催中です。
画家・作家いせひでこと当館は、1998年に「風の又三郎絵本原画展」で作品を展示させて頂いて以来、現在も交流を続けています。
そして、いせの企画展の回数はだんだんと増え、今では毎年、当館から新作の原画を発表して頂くという形で展示をしています。
今年は、新作絵本原画を中心に、「聞こえた『さよならの声』」のサブタイトルで“、いのち”の重さを伝え未来へ向けた祈りをテーマにした企画展になりました。
『けんちゃんのもみの木』は、1985年に起きた日航ジャンボ機御巣鷹山墜落事故で9才の子どもを亡くした作者・美谷島邦子が空の安全を願い、ひたむきにいのちと向き合いつづけた母の軌跡を綴った文と、作者と親交が深く、自らも御巣鷹山慰霊登山を続けてきたいせひでこが寄り添い、受け止めるように描いた絵で創作された絵本です。
期間中、いせが絵本の原画完成に至るまでのスケッチやエスキスなど未公開作品も展示致しますので、絵本に込められたメッセージをより深く理解して頂ければと思います。
同時に少年が3本足の犬との交流を支えに理不尽さを乗り越え成長していく『あの路』と、かしの木が見守るいのちの巡りと親子の愛をテーマにした『かしの木のこもりうた』の原画全点も展示致します。
今回展示の絵本は、それぞれに異なったかたちの「さよなら」が描かれています。
コロナ禍で「さようなら」を言えない別れが増えている、今。
私たちが日々を過ごす中で気軽に使っている「さようなら」「さよなら」という言葉がどんな意味をもっているのか……
ゆっくりと、自分の大切な人とのことも考えるられる時間にして頂ければ嬉しいです。
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「いせひでこ絵本原画展~聞こえた『さよなら』の声」
2021年7月9日(金)~10月5日(火)
【展示作品】
『けんちゃんのもみの木』 美谷島 邦子/文 いせひでこ/絵 (BL出版)
※未公開スケッチ、エスキースも展示
『あの路』山本けんぞう/文 いせひでこ/絵 (平凡社)
『かしの木の子もりうた』 細谷 亮太/文 いせひでこ/絵 ロバート・マンチ/原作 (岩崎書店)
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<学芸員 米山 裕美>
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