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【安曇野から発信する潤一博士の目】12 ~森のおうちの土台:天満沢の扇状地
花こう岩の巨石が、森のおうちの玄関横にあることは、前にも紹介した。この巨石は、よそから人が持ち込んだものではない。森のおうちのまわりを散策すると、あちこちで同じような花こう岩の巨石を目にする。どこから、どのように運ばれてきたものか?
森のおうちが建つ天満沢の扇状地には、7世紀頃の古墳がたくさん築かれている。一方火山灰層(赤土層)は、扇状地上には存在しない。これらのことから、扇状地の形成時期は、火山灰が盛んに降った時代(ほぼ2万年前より前)よりは新しく、古墳時代よりは前ということになる。ほぼ縄文時代から弥生時代頃と推定される。
扇状地の礎は、ほとんどが花こう岩で、直径1mをこえるものも少なくない。花こう岩は近くの有明山や燕岳、常念岳など北アルプス北部の山々をつくる岩石で、中生代古亜紀~新生代古代三紀に、地下深部でつくられた深成岩である。それが長い時間をかけて隆起し、浸食されて地表に現れ、山地を形成したものである。
天満沢は、そのような花こう岩の山地から、土石流などで直径2mをこえる巨石をも安曇野に運び、扇状地をつくった。古墳時代には、扇状地はすでに出来上がっており、コナラやケヤキなどの落葉広葉樹に、モミやスギなどの針葉樹が混ざる森(原生林である針広混合林)が生い茂っており、現在のアカマツ林とは、著しく異なる景色が広がっていた。
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(地質学者・理学博士 酒井 潤一)
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