【安曇野から発信する潤一博士の目】11~氷河時代に日本列島で栄えた植物たち
180万年前ころから、寒冷系の植物が日本列島に入ってき始めた。メタセコイア植物群は、まだ繁栄中あったが、冷涼寒冷な気候が、時々日本列島をおそうようになったからである。その初期の寒冷系植物は、ヒメバラモミ(トウヒ属)、チョウセンゴヨウ(マツ属)、スギ(スギ科 スギ属)、ミツガシワ(水生植物)などである。新しく出現したスギは、同じスギ科のメタセコイアと花粉の形態がほとんど同じである(写真参照)。
更新世前期の中頃(180万年前)以降、メタセコイア植物群と寒冷系植物は共存しつつ、寒冷系植物が次第に勢力を伸ばし、更新世中期の中頃にはメタセコイア植物群は、日本列島から姿を消し、主役の交代が完了した。
(地質学者・理学博士 酒井 潤一)
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