島日記 不適切な言葉
青空が広がり、爽やかな風も吹き麗らかな、絵に描いたような春の日になった。
ウグイスの声も落ちついて、ブンブンと大きな虫まで飛んでいる。
春もたけなわ、爛漫である。
アガサクリスティの作品の差別的な語彙を修正、削除して改訂出版されたという記事を読んだ。
イギリスの出版社らしい。
例えば、「黒人の使用人がにやりと笑った」が「使用人がうなずいた」になったり、「ジプシータイプ」が「若い女性」に。
「チャーリィとチョコレート工場」のロアルトダールも同じように大幅な修正がなされたそうだ。
アガサクリスティが知ったら、怒って謎の失踪をするかもしれない。
ロアルドダールは皮肉たっぷりのショートショートを書くだろう。
不適切な言葉を調べたところ、ここまで規制しているのかと驚いた。
女らしく、男らしくなどはわかる。
土方、百姓はなんとなく、坊主、成金、アル中、裏日本もある。
処女作はふーんだが才色兼備もバツとは。
障害物競走、お花畑も入っている。
笑ったのは、〜基地外だ。
公の立場の人は細心の注意が必要だろうな。
時代の変化を認識していない老害と言われる人は別だが、なんとも大変な風潮になったものだ。
故人の小説の語彙が修正され、時代の風俗や状況が違ってきたら作者の意図が伝わらない。
時代背景もおかしくなる。
既成の作品まで不適切な言葉を規制しなければならないのだろうか。
日本でもそうなっていくのか。
現役の作家筒井康隆は、抗議されて断筆宣言し話題になった。
余談だが、二十代前半の人と話した時「人夫」を知らなかったのに驚いた。
笑い話のつもりで、私たち農作業する人は人夫と呼ばれていたと言っても通じないのだ。
笑えなかった出来事である。
今日もお付き合いくださってありがとうございます。
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