たけなわ
今日もまだ暑い日和になりそうだ。
台風以来晴れが続いているのでひと雨欲しいところだが、いっこうに気配がない。
10月に入った、秋もたけなわか。
たけなわとは、「酣」と「闌」と2つの漢字がある。
ずーっと以前、どんな漢字だと思うと尋ねられて、
「たける、たけなわ、うーん、宴がたけなわ、春爛漫…、絢爛、なんか絢爛のどっちか?」
と答えたことを覚えている。
「さすがだね」と言われて嬉しかったからである。
何かの出来事と一緒に脳内にインプットされるので、暗記と違った記憶になってくる。
それにしても、違った意味の2つの漢字があるとは珍しい。
たけるプラスなる、たけるプラスなお、たけるプラスなかば、などがなまった言葉と言われているようだ。
「酣」はお酒が甘いでなんとなくわかる、「闌」は欄干の遮る、閉じ込めるから、または爛に似ているかららしいが、こちらはよくわからない。
どちらにせよ、たけなわを思えば2つの漢字が浮かんでくる。
宴のたけなわ、真っ最中の後には、待っているものがある。
「悲哀」「憂い」「惜しむ」また「後悔」「倦怠」も控えているだろう。
愉しい時間は永遠に続いてほしいと願うが、そんなことになればもう愉しい時間ではなくなる。
消えていくから、ひとときだから、貴重なのだ。
そんな時間をたくさん作っておけば、歳を経て、思い出に浸れるし、何か書きたくなるかも知れない。
枝豆が無人市に出た。
島では葉ばかりで豆が出来なかったりして、枝豆栽培は難しい。
粒も小さくて貧弱だ。
だが、嬉しい、おそらく運がよかったのだろう、明日はないはずだ。
たくさん買ってきた。
惜しむらくはビールの季節が終わろうとしている。
生涯のたけなわは過ぎたが、まだ悲哀や後悔には至っていない。
もう少し宴の続きを愉しませてもらおう。
今日も読んでくださってありがとうございます。
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