島の服事情
起きて、薄地のカーディガンを羽織る。
窓を開けると冷たい風が吹き抜けた。
まだ夜明け前である。
暦の上では「寒露」に入ったようだ。
島に来た最初の年は11月いっぱい半袖シャツで過ごせて喜んだ。
次の年は早くに長袖になる。
都市伝説ならぬ島伝説だ。
誰もが同じ経験をする。
一年住めばその土地の気候にあうように身体が馴染む。
不思議なものだ。
島は光熱費は高いが、衣服代がいらないと皆が言う。
確かにそうだ。
セーター、コートは必要ないし、女性は動きやすいパンツスタイルだ。
もんぺは楽すぎて要注意、身体のことも構わなくなってしまう。
履物も年中「ぎょさん」という漁師のサンダルだけの人も多い。
男性は服に頓着する人はいないように思う。
皆同じようにTシャツ、ハーフパンツか作業服だ。
スーツを着た人がいると振り返ってしまう。
おそらく出張で来ている人なのだ。
空港やバス停などで見かける観光客も、リュックを背負ったアウトドア服に身を包んでいる。
確かに、山や海の景色の中では華美な服は似合わないし、実用的ではない。
山にサンダルばきで来る人もいるらしいが。
しかし、日常で、実用や機能ばかりを重視していたら面白味がない。
私は服装で気分が変わると思っているから、少々浮いても気にしない。
年相応の服って?と老若男女不明の好きな服を着て過ごしている。
農作業の時しか会わない婦人を病院などで見ても、しばらくは誰かだかわからない。
相手もそうかもしれない。
お出かけの時はおしゃれするのだなと微笑ましい。
明るい色のほうが映えるのにと思ってしまう余計なお世話。
以前「ピンクももいろピーチ色」のタイトルで書いたことがある。
今年もニット帽を出す季節になってきている。
冬は重ね着ができるので好きだ。
日中はまだ暑いのでしばらくは半袖一枚の日が続くだろう。
独断で島の服を語ってみた。
興味なかったらごめんなさい。
今日も読んでくださってありがとうございます。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?