島日記 冬のある日
西の空に浮かぶ有明の月に「おはよう」と挨拶。
澄みきった冬の朝だ。
こちらは朝日。
「今朝も輝いているね」
近ごろ暖かすぎて冬らしくない日和が続いている。
こたつはonにならないまま、ストーブは隅に布を被ったまま。
島は亜熱帯北部だが、南部になりそうな温暖化だ。
しかし、奥山付近は亜寒帯で北海道並みの気候なのだ。
移住する前に2月の奥山を縦走したことがある。
冬の山は清冽で美しいが、樹々は樹氷で覆われ、岩はエビの尻尾がついて凍える寒さだった。
ポンカンが少し色づいてきた。
一日中8段の脚立に乗ったり降りたり。
以前はポンポンポンと登ったものだが、今はいち段いち段踏みしめて登る。
同世代の女性園主といつもふたりで収穫する。
少し弱気になってきたが、園主に懇願されるのでしばらくはやめられそうにない。
ひとりでキャリー(コンテナ)を積み、軽トラで自宅の倉庫まで運び、選別し箱詰めする。
収穫だけでなく、一年中ミカンの手入れ作業はある。
大阪から嫁いだお嫁さんなのに、夫亡き後、島でミカン農家を続け、子どもを育てた小柄な働き者の気丈な女性だ。
私ももう少し頑張ってみよう。
身体がまだ慣れていないので足がガクガクになり疲れて帰り、だれやみ(島で晩酌のこと)を少し。
すぐに眠くなるが、「いけない、いけない」と、無理に起きていたら、今度は眠気がさり、なかなか寝つけないで困った。
普段から眠れないたちだ。
母の使ってなかった布団一式持ち帰り、ふかふかで気持ちいいのに眠れない。
睡眠不足が身体によくないのは承知しているが、もう諦めている。
今のところ健康には影響なさそうなので。
お付き合いいただき、ありがとうございました。
皆さまはよく眠られますように。
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