島日記 言霊(ことだま)
台風の動きに一喜一憂していたが、じりじり照りつける陽射しに台風のかけらも感じられない。
どうやら予報が強風圏から外れたようでほっとする。
六月に入り、庭の草も伸びてきた。
カヤに混じってアシが生えている。
アシ、ヨシと呼ばれる庭では厄介な植物、多くの由来や蘊蓄がある。
古くは日本は葦原の国と呼ばれ、今でもアシ、ヨシのつく言葉は多い。
ヨシズ(葦簀)、葦笛、考える葦であるとか思いつくだけでもいくつもあるので有用植物なのであろう。
以前も参考したホシナコウヤ氏の天気コラム「葦はよいもの悪いもの? 」が詳しい。
忌み言葉というのがある。
アシがヨシになったのもそうだし、折々の行事にも使ってはいけないとされる言葉がある。
縁起担ぎといえばそれまでだが、言葉には言霊が宿るからだろう。
声に出せば、現実の事ごとに影響を及ぼす。
言葉には霊が宿るから、よい言葉を使えば福が訪れ、悪い言葉を発すれば凶事になる。
「言」と「事」は同じ意味に使われていたようだ。
日常で不快な言葉を聞くことはないが、そんな場面に出食わしたらドキドキする。
耳ざわりな言葉を使えば自分に戻ってくるのにとおせっかいを焼きたくなる。
言葉は大切にしたいものだ。
願い事を言葉にすれば叶うという引き寄せも、きっと言霊が影響しているのだろう。
暑さに負けない庭の花たち。
今日も付き合ってくださってありがとうございます。