「アガサ」と「クリスティ」
雨上がりの舗道はキラキラと眩しくて、樹々の滴が落ちてきたりする。
ハゼの木でないようにと呟きながら走る。
タイヤ交換したばかりでついついスピードが出すぎる。
湿った海の香りもただよっている。
突然、黒アゲハがヘルメットに突撃してきて、鈍い音をたてた。
落ちて、しばらく足元にいたが飛んでいく。
大丈夫だろうか。
順番待ちの本が待機していると図書室から連絡あったのに、クラスター発生でまた休館になる。
「同志少女よ 敵を撃て」
作者は逢坂冬馬、去年のアガサクリスティ賞でデビューした。
「ハヤカワミステリマガジン」を購読していた頃があった。
前身は「エラリークイーンズミステリマガジン」
海外のミステリを紹介してくれるので、発売日が愉しみだった。
編集長も、都築道夫、生島次郎、常盤新平と名だたる作家が多い。
私は30歳から島に移住するまで、福岡の地元で喫茶店をやっていた。
屋号を「アガサ」という。
アガサクリスティの本の裏表紙の写真を拡大して額に入れて欲しいと、近所の写真館に行った。
「ほんとはダメなんだよ」と言いながらおじさんは立派なアガサの写真を作ってくれた。
先日早川書房の1階に「クリスティ」というバーがあるのを知る。
そして映っている人物の後に、同じ写真が掛けてあるではないか。
久々興奮した。
もっとも、アガサクリスティは写真が嫌いで、公表しているのは数枚しかない。
驚くほどのことではないが、なんとなく嬉しかった。
最近はミステリはあまり読まなくなったが、名作はまた読んで見たいと思う。
しかし夢中で読んでいたころの気力は失われている。
めぐりあいがあれば読むことにしょう。
民宿のおやつにライチが出た。
今ごろ収穫なんだと毎年気づく。
レイシ(茘枝)、ムクロジ科の木で、果実がライチという。
楊貴妃が好んだのは知るところだ。
似た果実にリュウガン(龍眼)がある。
ライチより丸くて、色が黄っぽい。
甘すぎて、私はライチのほうが好きだ。
今日も読んでくださってありがとうございます。
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