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小鹿田焼の急須

ゆうべからしとしと雨が続いている。
今朝はコーヒーではなく緑茶が飲みたくなった。
長いこと愛用している小鹿田焼(おんたやき)の急須を出したので今回は、小鹿田焼の里を紹介しようと思う。

私の故郷は福岡の大分寄りだ。
小鹿田焼は福岡寄り大分県日田市の山あいに、ひっそりとある。
ちょっと出かけるには最適の場所でよく通った。

「ギィー、ゴトン、ガタン」
入口付近で音が聞こえる。
でっかいしし脅し、らしきものが、上がったり、下がったりしている。
川を利用して土をこねる唐臼の音だ。
せせらぎの音と重なって、のどかな情景を見ながら、聴きながら登って行く。

小鹿田焼は全ての工程が手作業だ。
それも、一子相伝(親から子に技法を継承)で、家族だけで作る窯元だ。
九軒の窯元しかなく、一軒一軒見てもそんなに時間はかからない。
親子でろくろをまわしているところが見られる。
日常使いの、素朴であたたかみのある陶器ばかりである。

民藝運動家の柳宗悦が訪れ、著者「日田の皿山」で世界一の民陶だと賞賛したのが、脚光を浴びるきっかけとなった。
そのあと、バーナードリーチが何度も訪れ、長く滞在し、職人の心構えなどを指導をしたと聞いている。
世に知られる前は半農半陶で、農繁期以外に焼いていたそうだ。

技法は、飛び鉋(とびかんな)、刷毛目(はけめ)、流しかけ。
飛びかんなの器は今では全国で購入できるほど有名になっている。

私も大きめの皿と砂糖壺を持っていたのだが、残念ながら両方割ってしまった。

蓋だけある


アマゾンでも買えるのだが、窯元で手にとりたいと思う。
未だ行けていない。
写真を載せられないのが、残念だ。

三百年前、福岡朝倉にある小石原焼の職人を、天領日田の代官の器を作るために、連れてきたのが始まりとされている。
兄弟窯といわれる小石原焼の窯元にもよく行った。
小鹿田焼より規模が大きく、もう手作業ではない。
五月には民陶祭がある。

両方とも小石原焼


先頃の九州北部の集中豪雨で被害があったと聞く。
復旧はしたらしいが、もう一度訪れたいと思う。

陶芸好きな方は是非、小石原焼、小鹿田焼に訪れてほしい。
山あいのドライブも趣きがある。
秋がいい。
近くには、頼山陽ゆかりの耶馬溪(やばけい)、菊池寛ゆかりの「恩讐の彼方に」の手掘り洞窟、福沢諭吉の生家もある。
多数の温泉、由布院も近い。
大分は最近、移住先希望地の上位らしい。


今日も読んでくださってありがとうございます。
梅雨の前哨戦が始まりそうです。





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