朝顔の花
朝顔の種を蒔くのを忘れた。
去年は数種蒔いたがほんの少し咲いただけだ。
それでも夏の朝には朝顔を見たい。
やはり温度が高すぎるのだろう、島で見かけるのは野生の朝顔、昼顔だけだ。
見出し画像も野生の朝顔だ。
東京の入谷の朝顔市が今頃開かれるのではなかったろうか。
その後ほうずき市が浅草寺であるはずだ。
一度は行ってみたいと思いながら行けずじまいだ。
朝顔は古典園芸植物と言われ、その中でも唯一の一年草だ。
遣唐使によって、薬用植物としてもたらされ、その頃はもっと花が小さかったという。
万葉集の朝顔はムクゲかキキョウらしい。
江戸時代に下級武士の御徒目付がしきりに作り、明治になり、入江の植木職人の手で改良され、大衆に広まったようだ。
「おそれ入谷の鬼子母神だね」
愛好家が多い植物である。
早起きしないと見られないというのも一興だし、清々しい気持ちにさせられる。
だが朝顔は秋の季語になるそうだ。
稲畑汀子 「朝顔の 萎えて朝の 心失せ」
「朝顔の 蔓の自由の 始まりし」
正岡子規 「朝顔に われ恙き あした哉」
千利休の朝顔の逸話はわびさびの境地なのであろうが、植物好きにとってはいただけない。
一輪のために、咲いた朝顔を全部取ってしまうとは、何という傲慢さであろう。
あるいは芸術とはそういうものなのだろうか。
私は咲いている花一輪一輪がいとおしい。
以前はよく切り花を部屋に飾って愉しんでいたが、最近は野にあるほうが長く咲いているし、むやみに切らないようにしている。
部屋は鉢の植物で十分だ。
朝顔の写真の代わりに。
台風は温帯低気圧に変わったようだが、まだ不安定な天気だ。
戻り梅雨というのであろうか。
数年前の西日本豪雨も今の時期だった、その年も梅雨明けが早かったような気がする。
猛暑にもなるだろう。
大きな災害が起きませんように。
今日も読んでくださってありがとうございます。
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