見出し画像

平面と凸面…🏞

大きな1粒の雫に包まれていた

両足を折り畳み両腕で抱え込むような
格好だったが不思議と息苦しくはない

ヒンヤリと包まれて
肌呼吸で酸素が吸収される

ユラユラ揺れて
ポトリと零れた

目が覚めた

原っぱの上に座っていた

包まれていた雫の名残が
腕や足に付着している

半袖半ズボンを着たまま
身の丈以上ありそうな原っぱを
見上げると

見たことのない生き物が
少し向こうの方に立っていた

四足歩行であるハズの爬虫類が
二足歩行に転じて
大きな盾を携えていたのだ

怖かったから座ったまま
様子を見ていると、その爬虫類に
騎士が近付き移動を指示していた

私から見て左側に移動した爬虫類を
確認した騎士は、右側に大きく手を回し
何かを手招きしている

ゴロゴロゴロと大きな音を立てて
何やら砲台みたいなものが
独りでにやってきた

金属製の蔦が幾つも絡み合った砲台は
やがて騎士の前まで来ると
その蔦をゆるゆると解き大きく展開した

砲口は口を開けるように開き
目玉のような瞳を見せてきた

“大砲じゃなくて目玉かよっ!”と
ツッコミを入れながらも
思わず呆気にとられる私

騎士はその瞳に光の弾のようなモノを
装着して、手元にあるレバーを
一気に手前に引いた

光の弾は遙か彼方まで飛び
宇宙の果てに飛んでいった

光の弾を放った瞳はお役目ゴメンと
蔦をゆるゆると纏わり付かせながら
静かに閉口していき、元の砲台の姿に戻る

目が覚めた

先程の原っぱだ

相変わらず私は雫だらけで
目の前には先程の砲台が眠ったように
閉まっている

「ふぅー。1つは送り出せたな。」
「上手く奴らも誤魔化せたし、
         あと1つだ!」

騎士が独り言のように呟く

“やっと言葉を発したか?”と思ったが
イマイチ内容が掴めない

『奴ら』とは、 
もしかしてあの爬虫類の事か?
と言うことはつまり、この騎士は
爬虫類の上司を装った偽物ということか?

思考を巡らせていると
辺り一面に霧が立ちこめてきた

「霧が濃くなってきたなぁ。」
「でも追っ手は来ないから安心だ。」

そう騎士は呟いていたが、私は
イヤな予感がした

明らかに不穏なフラグが立った気がした

目が覚めた

霧に包まれた原っぱの中
雫だらけの私は

騎士の居る方向とは
真逆を向いていた

パカパカ
 パカパカ
  パカパカパカ

遠くに音が聞こえる
まるで馬でも走ってくる音だ

そんな風に考えていたら
予想通り馬が何頭も霧の向こうから
走ってきた

その乗り手は細長い陰をしていて
未だに霧の靄に包まれていた

その霧が徐々に晴れていき
乗り手の姿が顕わになる

骨人間だった

騎士と同じような甲冑を着込んだ
骨人間が馬に乗って大勢こちらに
押しかけてくる

のんびりしていた騎士はやっと気付くが
時既に遅し

私の眼前を勢いよく駆けていく
馬と、乗り手の骨人間に
捕獲された

誰も私の存在には気付いていない
ようだったので少し安堵していたら

目が覚めた

広っぱは広い石畳になっていた

前髪ぱっつんの黒髪長髪な幼子が
紅の瞳を宿して立っていた

黒光りする上品な着物に
蝶の模様があてがわれ朱色の帯が
腰回りをキュッと締め付けていた

真っ白な足袋を履き
赤い緒のついた黒い下駄を
カランコロンと鳴らしながら

両手を前に揃えて静かに歩いてくる

捕獲された騎士の前に立ち
次に見えないハズの私の姿を捉えて
こう言い放った

平面の世界は終わりだ
凸面の世界が始まる。

目が覚めた
リアルだ。。

台風の激しい雨音が窓を打ち付け
カーテンを開けても室内は
何処かどんよりと重かった。

お気に入りの紅茶をふーふーと
冷ましながら飲んで

夢の内容を反芻するも
謎が多いので、一旦諦めて

今度は夢で見た少女を思い出す。

威厳があって少し怖かったけど
品を備えていてとても美しかった。

そんな事を思い出しながら
買い溜めしていた食品を
冷蔵庫から物色して

昼食を拵える。

皿うどんにした。

日常と非日常を放浪し、その節々で見つけた一場面や思いをお伝えします♪♪ そんな旅するkonekoを支えて貰えたなら幸せです🌈🐈 闇深ければ、光もまた強し!がモットーです〇