靴磨き👢

靴を磨いていた

スーツを着る時に履く
ビジネスシューズだ

黒色の靴だから黒色のクリームを
使い古したタオルを使って
せっせと塗り込んでいく

玄関の隙間から冷気がヒューっと
音を立てながら入ってくるが
そんなことには気にも留めず

ひたすらに靴を磨いている

玄関先の照明灯が
オレンジ色にポツリと光っていた

目が覚めた

また靴を磨いている

今度はドレスコードが必要な時に履く
黒色のバンプスだ

お気に入りの紺色のワンピースと
相性が良さそうだという理由で
購入したバンプスを

これまた念入りに磨いている

先程使っていた使い古しのタオルは
別の面に変わっていた

玄関先からは相変わらず
冷たい空気が流れ

証明の光もポツリと変わらずに
灯っていた

目が覚めた

再び靴を磨いている

手元にはショートブーツがあった

少し内股歩きのせいか
靴の内側が軽く剥げている

私はそこを念入りに磨いている

先程と同じクリームと
先程と同じタオルでだ

ただ、視点が変わっていた

先程までは自分の背中を
自分で見つめていた

しかし今回は私自身が
靴を磨いている当事者だ

玄関先から吹き付ける冷気が
やたら冷たく感じる

頭の上では照明灯が
その冷たさを和らげるように
橙色に辺りを照らしてくれていた

私はふと思う

何故こんな寒い想いをしながら
自分の靴を磨いているのか？

私には他にも赤いフラットシューズや
夏に買った茶色いサンダルなどもある

それなのに黒色の靴ばかりを
バカみたいに磨き続けている

それは何故なのか？

そんなことを思いながら
でも心の中で「ありがとう」と
言いながら

ただひたすらに靴を磨いていた

ある程度綺麗になって
改めて靴を眺めてみる

照明灯に照らされた靴が
キラリと黒光りしていた

目が覚めた、リアルだ。。

お布団に包まりながら
自分の夢を思い出して
ふふっと笑っていた。

折角だから
夢の啓示に従って

磨いてみることにした

夢の中で見た3足を
クリームとタオルで
綺麗に磨こう

キット私は今から君たちに
改めてお世話になるのかも知れない。

いや、今までも十分に
お世話になっていた。

だからお礼も兼ねて
磨くとしよう。

いつもありがとう
これからも宜しく