明順応と暗順応

日付が変わる深夜12時

室内の電気を消して
お手性のプラネタリウムに
単2電池2本をセットする

回転台に乗せて、電源を入れて
回し始める

豆電球でぼんやりと照らされる
室内の夜空

ずっと蛍光灯の明るさに慣れていた
両の眼には、ほとんど真っ暗な
天井が見えるだけ

ぶーんと回転台が回る
静かな音が響く

味気ないから波の音を
スマホから流して

後はベッドの中に潜り込む

気分は
さながら夜の浜辺

怖い虫も居ない安全でヌクヌクの
お布団の中

夜だというのに目を見開いて
私は夜空を見上げる

50秒/1回転の速度で回る
夜空の星が次第に
見えてくる

最初は分かりやすい天の川から

その内、天の川周辺の星も見えて
だけど同時に瞼が重たくなってきて

いっとき、また真っ暗な空間に
包まれる

はっと、目覚めると
そこには、いつの間にか
満点の星空が回っていた

ふと視線を下に向けると
鼻の上にも星が時々乗っていて

おかしくなって
一人で微笑む

そこから、自分との対話が始まる

今日は〇〇に行った
とか
今日は〇〇を頑張った
とか
今日は〇〇が楽しかった
とか

蛍光灯の下では、
自分を外側から見ている

何時までに〇〇しましょう
何時には〇〇を終わらせましょう
本日は〇〇にお出かけです

私の外側で私が燕尾服を着て
懐中時計片手に指示してくる

私の使役している秘書

だからか、蛍光灯の下での私は
私のことが見えにくくなっている

何をしたのか
何を感じたのか

そういう事が
見えにくく
なっている

その分、夜空の下では
自分の事がぼんやりと見えてくる

何ができたのか
どう感じたのか

そういう事が
朧げに
浮かんでくる

明るいところでは見えないけど
暗いところでは見えてくる

私も星空も少し似ているのかも

なんてロマンチックな事を
考えながら

夢の世界へと
旅立っていく

明順応と暗順応



日常と非日常を放浪し、その節々で見つけた一場面や思いをお伝えします♪♪ そんな旅するkonekoを支えて貰えたなら幸せです🌈🐈 闇深ければ、光もまた強し!がモットーです〇