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回顧手記「一人旅」 2007.05.18

 今年もGWにいろいろな旅人がやってきた。
 雪が消え、花が咲き始めるこの大型連休は、私にとっての新学期でもある。
 宿が冬仕様から夏仕様に衣替え。それに伴い大掃除もする。廊下や緑側のワックスがけや各部屋のすす払い、庭の手入れをし、ウッドデッキに防属剤を整り、談話室でもある和室にバーカウンターを設ける。しかしながら、毎年の如く、連休前には終わらず、やりかけのまま、申し訳ない気持ちで旅人を迎えてしまう。
 宿を始めて八年。旅人の力タチが徐々に変わってきている。特に女性の一人旅が増えているのが目立つ。
 私が放良の旅を始めた二十年あまり前は、一人旅といえば若い男性が多かった。ちょっと世の中を斜に構え、何かを求め、何でも見てやろうとひと癖もふた癖もある青年が旅をしていた。
 しかし、最近はそういう男性が少なく、男同士のグループか、カップルが多い。群れたがる男性に対して、女性は一人での楽しみ方をよく心得ているようだ。
 もちろん、男性の一人旅がいないわけではない。たまたま、うちの宿に少ないだけかもしれない。もしくは、小樽という街がそうなのかもしれない。以前一人旅の男性にこう言われたことがある。
 「小様はロマンチックすぎて、男一人では辛すきる」と。わからないでもない。

北海道新聞 夕刊 えぞふじ 2007年5月18日(金) 掲載

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