〇〇だと叫びたい
私が産まれてから24年 常に去来し続ける思いがある。
それは「本当の俺はこんなもんじゃないのに」である。
先日仕事の合間に先輩と雑談をした。
先輩は仕事が終わるとFPSを良くやっているらしい。
私は先輩に「僕も昔チョロっとやっていたんですけど、マッチングしてすぐ殺されて、ゲーム時間よりマッチングするまでの方が長いくらいでしたよ」と言った。
先輩は「まぁ最初はみんなそうだよね」と返した。そこで会話は途切れ、仕事をまた開始し始めた。
無言の中、仕事の作業によって出るカチャカチャという作業音だけが響く。
だが私は叫びたかった。
「先輩!!!俺はこんなもんじゃ無いんです!! 本当はもっとユーモラスで、エッジの効いてて、くすっと笑えて!それでいて教養すら感じさせるような返しができるんです!!」と
本当の私ならば「マッチングの方が長いくらいなんですよ 大阪万博の月の石かって感じですよね〜」と言っている。
(ちなみに意味を説明すると、大阪万博の目玉であった月の石の展示は、全世界からその月の石みたさに多くの人が集った。そして万博一番の行列を作った。二、三時間並んでようやく自分の番が来ても係員に「立ち止まらずに進みください」と促され、月の石のガラスケースの前を2.3秒ほど通り過ぎるだけで終わりであったそうだ それを私のFPSのマッチングと試合時間とかけている)(さらにちなみに言うと、私の亡くなった祖父は実際に万博に行き、月の石の行列に並び、その石を見たそうだ。特に何の変哲もないただの石であったと言っていた)(さらにさらにちなみに大阪万博の時代の、まだスマホはおろか携帯電話すら普及していない当時、どうやって待ち時間を潰していたかというと、友人同士でその場に座り込み、将棋盤を開いてその場で将棋を指していたそうだ。中々風流な光景である)話を戻す
この先輩、いやこの先輩に限らずこの会社の私を視認したことがある全ての人間は、私の事を寡黙愛想笑い悪臭つむじ薄デブと思っているだろう。
だが私は本来、株式会社〇〇いわき工場随一のムードメーカーになれるポテンシャルを持っている男なのだ。
休日になると先輩達が誰が森ノーカと遊ぶかを取りあう事になってもいいくらいなのである。
この前先輩に「彼女作らないの?」と言われた時も
「ハハハ…いや作れないんですよ」としか言わなかった。
だが本来は「いや〜彼女なんか作ったら風呂上がりに保湿クリーム塗りながらネットフリックス見れないじゃないですかって田中みな実かよってね」くらいは軽く言えたはずだし、
この前台風が直撃し道が水没し、自転車通勤の私が会社で立ち往生していた時、先輩に
「大丈夫か?泳いで帰ったらどうだ?ちゃんと海パン持ってきたか」と言われた時も
「ハハハ…持ってきてないですよ…」としか言わなかったが本来ならば
「持ってきてないですよ だから水の上走って帰るしかないですね ってドイル背負った烈海王かつってね もしくはそうすけを迎え来たポニョかつってね 津波が大きな魚の形しててね ノーカ人間になる〜って誰が見た目が妖怪やねん」くらいはサッと言えるはずだし、
なんなら今日の朝仕事初めの前に「いや〜今日仕事する気分になれないっすね やめましょうよ 雑談しましょうよ 日当はお返しするんで って山崎まさよしかつってね」くらいは言えて当然なはずなのだ
それなのに!!!なんで私は何一つ言う事が出来ないのだ!!!
本当は…もっと…出来るんだぜ (これは刃牙外伝スカーフェスにて主人公でヤクザの当主の高校生花山薫が、クラスメイトの女子に告白された際、自分と付き合うことになると彼女に危険が及ぶという理由からあえて下手くそなキスをして(花山の脅威の肺活量によって彼女の顔の半分を花山の口内に引き込むようなキス)わざと振られ、彼女が去り一人になった後に口の中にさくらんぼの茎を含んでそれを口内で固結びしたあとに吐き出し、「本当は…うまいんだぜ…」といった時と全く同じ感情である。)
どうすれば先輩と仲良くなれるのだろうか
たすけてくれ 天照大神…イエス・キリスト…アブラハム…アラー アオッペ 誰でもいい…助けてくれ…
以上です
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