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フリースタイルピアニストけいちゃんがアレンジした幻想即興曲/Xの考察第5弾・その世界観から想像を広げたextendedな物語



〈はじめに〉

ここに書くのは私がけいちゃんの音楽からインスピレーションを受けて想像を広げた感想や推測や考察である。
想像が広がりすぎて出来上がった物語を最後に記すが元のけいちゃんの曲や世界観にはなんら関係のない超個人的な創作である事をご承知いただき、その上でもし1つのエンタメとして楽しんでもらえたら嬉しい。

〈幻想即興曲/Xとは〉


けいちゃんがショパンの幻想即興曲をアレンジして令和の世に発信した…それが
『幻想即興曲/X』

ところで『円人』ライブの公式レポートで突如この幻想即興曲のけいちゃんアレンジが『幻想即興曲/X』というタイトルなのだと知らされた感があるのだが気のせいだろうか?
もしこのあたりの経緯をはっきり時系列で記憶されている方がいらっしゃったら是非ともご連絡をいただきたい。(教えていただいたからといってそうですかと筆者が納得するだけであるがそれでもよろしければ…)

なぜそこにこだわるかというと『幻想即興曲/X』のXとは何であるかと気になったからである。エックス…エックスか…と呟いてみてハタと気付いた。
「XR」のXではないかと。
XRとはextended realityまたはcross realityともいわれる現実世界と仮想世界の融合を言う。
"extended"は拡張、伸ばした、広げたなどの意味がある単語。

そう考えるとまさに曲の始まりと共に広がる白い空間は仮想世界のようである。
さらにボカロが無機質に歌う「This world is filled  with fantasy. この世は幻想に満ちてる」の歌詞もピッタリとハマってくる。

この曲は『円人』ライブに先駆けYouTubeで短い動画として発表された。
アルバム『円人』には収録されていない。
しかし英語の詩の内容や動画のシチュエーションからこれは『円人』の物語のスピンオフ的な位置づけなのでは?と感じた。
『円人』のライブでこの曲が演奏された時にそれは私の中で確信に変わった。

以前に第1弾から第4弾までこの歌詞の超訳と私の超個人的な感想やら考察やらを書いているのでご興味ある方には読んでいただけたら嬉しい。

〈幻想即興曲/X 考察第1弾↓〉

〈幻想即興曲/X 考察第2弾↓〉

〈幻想即興曲/X 考察第3弾↓〉

〈幻想即興曲/X 考察第4弾↓〉


〈幻想即興曲/Xの元動画コチラ↓〉


以下は私が感じたニュアンスで訳した超意訳である(文法的に必ずしも正しくないし想像で意味を広げている部分が多い事をご了承いただきたい)

〈幻想即興曲けいちゃんアレンジ歌詞超訳〉

This world is filled with fantasy.
この世は幻想に満ちてる

I'll give this wretched heart to the limit.
ギリギリまで傷ついたこの哀れな心をあげる

We all wish someone else
誰も彼もが無いものねだり

Call me from this muddy city.
こんな泥沼から外へ呼び出してくれ

I'll give this wretched heart to you.
君にこの傷心を捧げるよ

When I turned around,that mundane past was gone and reduced to ashes.
振り向けばありふれた現世なんて灰と散って無くなっているのさ

Where am I headed with my grief?」
絶望とやらと共にどこに行けばいい?

Who will tell me the path I should follow?」
進むべき道を誰が教えてくれる?

I've deceived myself,cause I wanna live in a dirty and beauty future.
自分に嘘をついてるんだ 
汚いのに美しい未来を生きたいだなんて

Where am I headed with my grief?」
心が痛いんだ…どこに行けばいい?

Who will tell me the path I should follow?」
どの道を辿ればいいのか誰か教えてくれ

This world is filled with fantasy.
この世は全部まぼろしだ

I'll give this wretched heart to the limit.
限界の不憫な心なんてくれてやるよ

We all wish someone else
隣の芝生は青いってさ

Call me from this muddy city.
呼び出してくれこの泥でぬかるんだ街の外へ

I'll give this wretched heart to you.
傷だらけの心を君にもらって欲しいんだ

When I turned around,that mundane past was gone and reduced to ashes.
振り向いたらどこにでもある俗世間なんて灰と化しているさ

Where am I headed with my grief?」
悲嘆を抱えたままどこに行けばいい?

Who will tell me the path I should follow?」
誰について行けばいいか教えてくれ

I've deceived myself,cause I wanna live in a dirty and beauty future.
矛盾してるんだ
汚くて美しい未来が欲しいだなんて

Where am I headed with my grief?」
胸の半分を取られたみたいなんだ。
何もかも灰色なんだ。
こんな悲しみを一体どこにやればいいんだ。

Who will tell me the path I should follow?」
後を追うなと?誰が言える?

This world is filled with fantasy.
夢幻に満ちたこの世界で

We all wish someone else
みんながみんな他力本願

I think I've found a ray of light.
だけど微かに差す光を見つけたと思うんだ

Let's rest a bit,then move on.
ちょっぴり眠ったらまた先へ進もう

We can find a bit hope in our fantasy.」ボクらの幻想にもわずかな希望は宿ってるんだ


〈幻想即興曲/Xは円人以前?〉

感じ方や受け止め方はそれぞれだが私はこの曲の世界は『円人』に登場する2人の主人公である男女の最初の出会いの場面ではないかと考えている。
そう仮定してこの動画を繰り返し見るうちにこの女子高生に何があったのか?と背景を想像するようになった。

子供の頃からおはなしの世界が大好きでお気に入りの本を繰り返し読んでいた。
誰に教わることもなく自然にするようになった空想遊びは身に染み付いている。
1つのストーリーから物語や背景を膨らませてイメージするのは私にとって日常茶飯事だ。

けいちゃんの作る歌詞や映像の世界は語りきらない、説明し過ぎない所と何故か漂うワケあり感がイメージを大いにかき立てられる。
という訳でこんな物語が出来てしまった。
私の超主観的で個人的な想像の産物。
少し踏み込んだ感想文の延長くらいのニュアンスで読んでいただければありがたい。


〈幻想即興曲/Xから想像した物語〉


〈はじめに〉でも述べたがこの物語はけいちゃんの曲や動画の世界観から私が個人的に勝手に想像して創造した短い物語である。
けいちゃんの意図とは何の関係もない。
私の超主観的なそれこそファンタジーとして楽しんでいただければ幸いである。

・円人の愛葬ちゃんの過去の姿が女子高生と想像してみた。名前はai。
・円人の夜行君の過去の姿がけいちゃん演ずるストリートミュージシャンという想像。名前はkou。


【aiとkou〜出会い〜】

ai18歳の誕生日
海外を飛び回る音楽家の両親は今日も多くの聴衆に囲まれている。
世界的に有名な彼らのスケジュールは5年先までびっしりうまっている。
両親がaiの誕生日に一緒に居たことは一度もない。

aiは生まれた時から祖父母と暮らしていた。
古い日本家屋の縁側で祖父母と猫と過ごす時間がaiは好きだった。
春は桜、夏はサルスベリ、秋は落ち葉で焚き火、冬に池に張る薄氷、地面の霜柱。
四季折々の風情を見せてくれる昔ながらの庭。
都会の中にもまだある静かな暮らし。
世界中を移動する両親との生活なんてaiには考えられなかった。

だが半年前、祖父が突然亡くなった。
それ以来すっかり元気をなくしていた祖母。
不思議な言動や不安な様子が増えていたある日
階段から落ちて骨折し入院してしまった。

大好きなこの家で3人と1匹で平和に暮らしていた陽だまりのような時間はもう戻ってこない。
虚しさと絶望と未来への不安の中でaiは18歳になった。

「もう大人だってことか…」


両親からの18歳の誕生日プレゼントは莫大な信託財産と専任弁護士。
何だって出来るんだろうな…でも何を?

幼少期からたくさんの贅沢品に囲まれていたai。
考える前に先回りして何でも差し出された。
記憶力も学力も運動能力も人並み以上で努力しなくてもそつなくこなせた。
両親譲りの音楽の才能もあったが本気で取り組む事はなかった。
何かがaiの願望や情熱を阻んでいた。

あぁわからない…私は誰?

aiの中で積もっていた想いがはじけそうになっていたその時、彼は居た。
ぽつんと道端に、キーボードを前にして。

ショパン…

「世界の人々への…多くの人々への演奏
じゃなくて私の為だけの演奏が聴きたい!」

aiに今までなかった衝動が起きた。

ai「あの…これで私の為だけに演奏してくれませんか?」
kou「いらない」
(お金はいらない。
ワケありだよね?目を見ればわかる。
君の為だけに演奏するよ…言わないけどね)

♪幻想即興曲/X♪

これがaiとkouの出会いだった。


〈あとがき〉

ついに物語を書いてしまいました。
私の想像による超主観的な創作です。
世界の片隅で想像を広げ過ぎる変わり者が書いた小さな物語としてそっと楽しんでもらえるならこれ以上の幸せはありません。
動画を見て曲を聴いた人それぞれにそれぞれのイメージする世界があると思います。
私が『幻想即興曲/X』から想像した曲の背景はこんなストーリーでした。
私が想像した世界に最後まで付き合っていただき読んで下さってありがとうございました。

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