三浦春馬 「You & I」 至上の愛
今日は、春馬くんが旅立ってから半年目の月命日。
今も春馬くんの名前が頻繁にネット記事で取り合げられ、日本では出演した映画が劇場でも地上波でも公開されている。
本当にもう居ないのだという事が、半年経ってもまだ信じられない。
海外に住んでいるせいなのか、よけいに時間の流れが人と違うような気がしてしまう。春馬くんのことを話せる人は全く周りにいない。
というか、普段から日本のドラマや映画について、こちらの在住日本人の間で話題にのぼることは、ほぼない。
なんだか、離れ小島にポツンと一人でいるような気持ちになる…。
今日は、春馬くんの残してくれた歌について書こうと思う。
彼の曲を初めて聞いた時、とても驚いた。想像の斜め上をゆくようなハイトーンヴォイスに、誰?って感じだった。声域もかなり広い。話している声とも違う。
曲によってヴォーカル・スタイルも使い分けているし、その高い歌唱力にあらためて感心した。
中でも私は『You & I』が一番好きだ。
惹かれる理由は、唯一の自作曲であり、春馬くん自身の心の内を歌っているように感じられるからだ。
今までどれくらいリピートして聞いたことだろう。
前奏もなく歌い出す、低く穏やかな声と深い息継ぎの音までもが、すぐ耳元で歌われているようで、ドキッとする。
脈打つ心臓の鼓動のような、バスドラムのビートも心地良い。
歌詞の中でも印象的なのは、“くぐもる”という、あまり耳にしない言葉だ。
意味を調べてみると、はっきりしない、口ごもる、声などが中にこもる、とある。
愛するほどにためらい、言葉にすることがなかなか出来ない、もどかしいような心持ちが感じられる。
愛しいひとの姿を思い浮かべながら綴っていたのかもしれないと思うと、切ない…。
”恋慕” ”甘味が滲み出す” なんて、春馬くんが紡ぐ言葉は、古き良き日本語の美しさもあり、なんだか奥ゆかしいのに、”愛の悶え” とは…官能的でさえある。心の奥底に燃え盛る静かな情熱を感じさせる。
"叫びたい! 求めてるその先の言葉、欲しくて堪らない心"から、感情が昂まってゆくクライマックスにかけては、ロングトーンで高らかに歌い上げてゆくドラマティックな展開。
天に昇りつめて行くような高揚感に、どんどん心が解き放たれてゆく。
春馬くんが、求めていた愛
春馬くんが、与え与えられた愛
これ以上ない程の至上の愛
春馬くんは、圧倒的な愛の人だったのだな。
何度聴いても、胸を鷲掴みにされ、心が震える。
深い愛で満たされたような、陶然とした余韻に包まれる。
初めての作詞作曲にして、この完成度。
いったい、どれだけの才能を持ち合わせていたのか。
あの若さで、春馬くんはどうしてこんなにも深遠な歌を作る事が出来たのだろう。
人の精神年齢や成熟度というものは、実年齢に比例しないものだなぁ…と、あらためて感じる。
最初にして、最後の名曲というのが、本当に惜しいけれど、
もっと、もっと、あなたの歌を聞いてみたかったけれど、
置き土産のように残してくれた歌の中では、いつでも何度でも、あなたに逢うことができるから。