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ヒヤシンスをあなたに

ヒヤシンスを一鉢置いただけで、部屋中に甘く瑞々しい匂いが広がる。
その香りは、疲れを癒しリラックスする効果があるのだという。
こちらの国ではクリスマスに飾る花として冬から鉢植えがよく出回っている。
だからなのか、ヒヤシンスというと、冷んやりとした空気の中で匂いたつ姿が思い浮かぶ。
小さな花がみっしりと集まり、こんもりと房のように咲いている姿は、他の花にはない独特な風情がある。

ヒヤシンスの和名は当て字で、風信子と書く。当て字でもなかなか読めないように思うけれど…。
ヒヤシンスの名前の由来は、ギリシャ神話に出てくる美少年ヒュアキントスが語源になっている。
太陽神アポロンに愛されたヒュアキントス。アポロンはヒュアキントスの死を悼みその姿を花に変えたという。
ヒュアキントスの悲劇的な運命とヒヤシンスの花言葉に、どうしてもあなたを重ねてしまう。



光があふれ

色を取り戻した野に

また花が咲く

何度目かの季節が巡り

春にして君を想う


美しき

面影たどり

春霞はるがすみ





ヒヤシンスの花言葉

変わらぬ愛

控えめな愛らしさ

悲しみを超えた愛





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森野 しゑに
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