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「金玉取らずに女にしてやれ」判決への抗議文

 10月25日、最高裁は、性同一性障害特例法における性別変更の要件についての条文、第3条4「生殖腺がないこと又は生殖腺の機能を永続的に欠く状態にあること」を違憲としました。
 簡単に言えば「女になりたい男は、チンコも金玉も取らずに女だと認めてやれ」ということです。
 また、第3条5「その身体について他の性別に係る身体の性器に係る部分に近似する外観を備えていること」については、審理を高裁に差し戻ししました。
 これは、簡単に言えば「チンコと金玉がついているという見かけから女と認めてもいいかどうか、高裁でもう一度審議しろ」ということです。
 ア……アホかーーーっっっ?(絶叫)
 そんなわけで、「女性スペースを守る諸団体および有志の連絡会」はそれぞれが声明を出すことになり、私も白百合の会代表として抗議文を提出しました。
 以下がその文面です。

「白百合の会」代表 森奈津子
 性同一性障害特例法は、元々、身体の性別違和が耐え難く、性別適合手術を望んで受けた人々を救済するための法律です。見かけ上の体の性別と戸籍上の性別を合致させ、彼らの生きにくさを解消するためのものです。ゆえに、生殖腺を切除もしくはその機能がなく、男性の場合は外性器を手術している人にかぎり、戸籍上の性別を変えられるとしているのです。
 「体は変えずに、戸籍上の性別だけを変えたい人」は立法当初から救済の対象ではありません。むしろ、そのような人が戸籍上の性別を変えては、社会に混乱が生じます。
 最高裁は今回の判決で、法解釈を誤ったと言っても、過言ではないでしょう。性同一性障害、性別違和、トランスジェンダーに関し、不勉強にすぎます。
 今、最高裁判決を受けて、女性から男性にトランスした性同一性障害の方々の間では、不安が広がっています。周囲から「戸籍上は男だが、体は女なのではないか?」と疑われ、男性から性的な興味をいだかれ、時には性犯罪被害を受けるのではないか、と。実際に、女性を蔑視しトランスジェンダーを憎悪する差別主義者が、そのような性犯罪に及ぶケースがあるのです。
 最高裁の判決は、性同一性障害の方々がこれまで築きあげてきた信頼や安全を破壊するものです。これこそ、人権侵害に結びつくものではないでしょうか?
 最高裁判事は当事者の意見を広く聞き、調査すべきでした。司法の傲慢と不勉強が招いた恥ずべき判決であると、申しあげたいと思います。

 以上が、私が提出した抗議文です。
 女性スペースを守る会のnoteでは、全団体のコメントをお読みいただけます。

 また、この判決に関するNHKの報道です。

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森奈津子(作家)
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