Z世代化する社会 お客様になっていく若者たちの無料部分感想
Z世代化する社会 お客様になっていく若者たち
舟津昌平さんの本です。
kindle版
単行本
【いい子にしていてね】
無料部分の最後の方に出てくるこの言葉、【近頃の若者は】いい子なのか。
いい子症候群の話の部分、面白いです。
大学講師でもある著者の舟津昌平さんがZ世代、主に大学生を観察することで見えてきた社会の変化について書かれているこちらの本。
Z世代はSNSを中心としたデジタル社会の中で当たり前に育ち、人とのつながりが常に可視化される環境にいます。
それ故に孤立することを恐れる傾向があり、周りの評価や反応に敏感になっているとのこと。
質問をされても友達の顔色を伺うような態度をとることが多く、自分の意見を表現するのが苦手な若者が多いと指摘されています。
みんなの前で褒められるのは嫌、孤立は嫌だけれど重い関係も無理。
インスタグラムやLINEなどを使い分けることで、ちょうどよい距離感を保ちながら付き合い方を考える若者たち。
この矛盾した態度はSNSの表面的な繋がりを重視しながら、実際には深い人間関係を避けている状況を反映しているのかもしれません。
SNSに自己満足ですと書いてしまうのも、他人からの評価に敏感故の発言。
とは言え、その環境を作ったのは社会であり環境でもあります。
本書は、Z世代が何を考えているのかわからないということを強調する本ではありません。
無料部分では社会との繋がり部分までは詳しくわからないので、その辺りは本文を読めばわかるでしょうか。
個人的には、世代で括る意味があるのかなと思います。
話してみないと、相手のことは結局わかりません。
話してもわからない人もいますけど。