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デザイン原則は破っていい?守るだけじゃ見えない景色の話

どうも、旗振りデザイナーのしのこです。

デザイナー歴13年目。
ひよっことベテランの中間世代ですが、
細々とフリーランスとして働いています。

デザインの四大原則という言葉。
デザイナーなら一度は聞いたことがあるかなと思います。
ただ実は、ここ数年前まで
この法則をまったく知らずにデザインをしていました…。

明文化されているとは知らず、
業務の中で都度指摘を受けていたことが
体に馴染んでいたという感じです。
今日は、そんな四大原則について触れてみます。

そんなお話。

「X」でも呟いておりますので
もしよかったら覗いてみてくださいね。


デザインの原則を守ることは本当に正解なのか。
時々そんなことを考えます。
そしてこの問いは、多くのデザイナーが
一度は立ち止まって考えるテーマだと思います。

デザインの基本的な原則を学び、
それに則って作品を仕上げることは、
新人デザイナーにとって必須のプロセスです。

しかし、その一方で、
ある程度経験を積んだデザイナーであれば
「原則を壊す」という選択肢が
目の前に現れる瞬間がやってきます。
その瞬間の葛藤こそが、
デザインをより深く探究する
原動力となるのではないでしょうか。

デザインには、秩序をもたらすための
基本的なルールが存在します。

その代表格が「デザインの四大原則」と呼ばれる、
近接、整列、反復、コントラストです。
これらの原則は、視覚的な秩序を作り出すことで、
情報を効果的に伝える役割を果たします。

例えば、あるチラシを制作する際に、
文字の配置や画像の配置がバラバラだと、
見る人はどこを見ていいのかわからず、
メッセージが伝わりにくくなります。

一方で、近接の原則を活用して
関連する情報をグループ化したり、
整列を意識して要素を整理することで、
見る人にとってわかりやすい
ビジュアルが完成します。

これが、原則を守ることで得られる
「秩序」と「情報的価値」です。

デザインの原則を守ることが、
情報を整理し、伝達力を高めることに
つながるのは間違いありません。

しかし、それだけでは足りない場合があります。
特に、見る人の感情に訴えかけたいときや、
強い印象を残したいときには、
あえてそのルールを壊すことが求められる場面もあるのです。

映画のポスターやアート性の高い広告を
思い浮かべてみてください。
それらのデザインの多くは、
一見すると「秩序を無視している」ように
見えるかもしれません。

しかし、その背後には意図的な「壊し」があり、
それが見る人に驚きや感動を与えています。
壊すことで生まれる情緒やストーリー性は、
時に秩序そのもの以上に強い
メッセージを持つことがあります。

デザインにおける原則と破壊のバランスを
とることは簡単ではありません。

デザイナーは、仕事としての効率性を追求する一方で、
クリエイティブな自由を求める
二律背反の中で日々悩み続けています。

特に、クライアントワークにおいては、
期待される成果物を納期までに
仕上げるというプレッシャーがありながらも、
単なる「無難なデザイン」にとどまらない
アウトプットを求められることが少なくありません。

そのため、デザイナーは常に
「このデザインで本当に伝えたいことが伝わるのか」
という問いと向き合い続けます。

デザインの目的とは何なのでしょうか。
単に情報を正しく伝えることだけではないはずです。
デザインには、感情やストーリーを共有し、
見る人の心を動かす力があります。

それが成功したとき、
デザインは単なる「見た目の良さ」を超えた
価値を持つものになります。

例えば、ウェブサイトや広告デザインが
単に商品やサービスを説明するだけでなく、
ブランドの世界観や哲学を伝え、
ユーザーとの共感を生み出している事例は数多くあります。
そうした事例を見るたびに、
デザイナーという仕事の奥深さを改めて実感します。

デザインの原則を知り、
それを使いこなし、時には壊す。

これらすべてを実践して初めて、
デザイナーとしての挑戦が始まります。
守ることで秩序を生み出し、
壊すことで情緒を生み出す。
その狭間で生まれる悩みや葛藤は、
デザイナーとして成長するための糧となるはずです。
そして、最終的には、
あなた自身のデザインにストーリーを与え、
それを唯一無二の価値として見る人に
届けることができるのではないでしょうか。

デザインの原則を活かし、
壊す勇気を持つことで、
あなたの作品はさらに広がりを見せるはずです。
その挑戦を楽しみながら、
これからもデザインに向き合っていきましょう。


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