【京都時間.jp】第12回 成就院庭園特別公開:京都の歴史と自然の美が息づく場所
清水寺は、778年奈良時代に創建。平安京遷都以前の歴史を有し、坂上田村麻呂の寄進により栄えました。平安時代には『源氏物語』や『枕草子』にも登場するなど、京都の有力寺院としての地位を築きました。
その清水寺の境内にあり、室町時代に創建された成就院。日本の古き良き時代を今に伝える宝物です。特に庭園の素晴らしさは、数ある京都の庭園の中でも、一目置かれています。相阿弥の原作と小堀遠州の補修、松永貞徳の修景によって、模範的な借景式・池泉鑑賞式庭園として成熟しました。国の「名勝」にも指定されているこの庭園は、四季折々の風情が深く、特に「月の庭」として知られ、江戸初期に作庭されたその景観は、高台寺山を背景にした幻想的な美しさを持ちます。月光に照らされた紅葉が池の水鏡に映り込む様は、訪れる人々の心を奪います。
成就院庭園は、ただの観光地ではありません。ここは日本の文化と歴史が息づく、生きた博物館のような場所です。この庭園に足を踏み入れると、まるで時間が止まったかのような静けさと、深い精神性を感じることができます。幕末には月照上人や西郷隆盛らが密談を交わした地でもあり、歴史の重みが訪れる人々の心に深く響きます。
豊かな自然と一体となっているこの庭園は、日本の美と歴史を体現する場所であり、訪れる人々に深い感動と静寂な安らぎを与えます。過去と現在が交差する旅を経験し、日本の精神と美を象徴する成就院の庭園は、一生に一度の体験となるでしょう。成就院庭園は、日本の歴史と自然の美を感じさせる場所として、訪れる人々に深い印象を与え、その美しさが語り継がれていきます。
年に数回しか公開されない特別な空間。特別公開されている時期に来られたときにはぜひお立ち寄りいただきたい場所の一つです。