
理想の自分に近づくために
小学校の先生で2人のパパでもある もりもりです。
「放課後の職員室」というコミュニティを運営しています。
先生たちが職員室で笑い合ったり、真剣に語り合ったりする温かいコミュニティを目指して活動しています。
オープンチャット「放課後の職員室🍻」
今回は、理想の自分に近づくためにというテーマの話です。
「行ってしまう1月」なんて言われますが、もう1月も今週で終わり、2月がもう目の前です。2月に入ると、私の勤務している小学校では、今年度最後の授業参観が開催されます。
6年生を担任している今年は、子どもたちが自分の「興味がある職業」について、スライドにまとめ保護者の皆さんに発表をします。
この授業で子どもたちに伝えた内容をもとにお話させていただきます。
さっそくですが、今の子どもたちは夢を持っていると思いますか?
全国の調査では、小学6年生の約80%が将来の夢を持っているそうです。
私の担任するクラスでは、「将来の夢、なりたい職業がまだ決まっていなくてもいい!『どんな人になりたいか』を考えよう!」という授業を行いました。この記事も合わせてお読みください。
やりたいこと、将来の夢が見つからない
今回の授業では、「興味がある職業」について、自ら調べ、スライドにまとめ、発表する学習の流れです。しかし、やりたいこと、将来の夢が見つからない子は必ずいます。今回行ったアプローチを紹介します。
たくさんの職業に出会わせる
小学6年生(12歳)の子どもたちは、世の中にどんな仕事があり、世の中がどう動いているのか、分からなくて当然です。魅力的な職業がたくさんあることに気付いてもらうために以下の手立てを取りました。
図書室の本を大量レンタル(30冊以上)
学習サイトの活用
職場体験
1.図書室の本を大量レンタル
学校図書館にある「職業に関する本」を大量にレンタルしました。「13歳のハローワーク」や「お仕事図鑑」などは、一度でたくさんの職業を知ることができるのでオススメです。
2.学習サイトの活用
職業調べに使えそうな学習サイトも紹介しました。
Gakkenキッズネット「未来の仕事」
東京書籍「Edu Town あしたね」
3.職場体験
私の勤務している小学校では、6年生を対象に職場体験を行っています。教育委員会が運営をしてくださり、県内の多くの企業さんのご協力のもと「働く」とはどういうものなのか教えていただきます。
自分のことを掘り下げる
「やりたい職業」が見つからない子には、自分のことを掘り下げて考えてもらいます。好きなこと、嫌いなこと、将来やりたいこと、やりたくないことを私と話しながら、自分について考えてもらいました。
ポイントは、子どもの考えを一切否定しないことです。ラクして稼ぎたい、働きたくないなども受け入れつつ、子どもにどんどん話してもらいます。「働きたくない」というのも、「働く=辛いもの」というイメージの中での発言です。会話を進めていく中で、「これなら働いてもいいかも」という職業がきっと見つかるはずです。

理想の自分に近づくために
上記の方法で多くの子どもたちが「興味がある職業」を見つけることが出来ました。その後、職業の内容、必要な資格、求められる資質などについて調べ学習を行いました。
そして最後に「その職業に就くためにこれから何をしていくのか?」を考えました。ここで多く見られたのが「専門的な知識を勉強していきます」という考え。もちろん専門的な知識を勉強するのは大切だけど、働くための力は、それだけではない!と思い、以下の授業をしました。
専門スキルと汎用スキル
仕事をしていく上で、必要な力は2種類あります。その職業には必要な専門スキルとどの職業でも必要な汎用スキル。この2種類の違いを伝えました。
【専門スキル】
獣医:動物の治療法 薬の知識 病気の種類
銀行員:投資 ローン 為替
漫画家:構成 画力 表現力 ユーモア
【汎用スキル】
コミュニケーション能力 時間管理能力 探求能力 継続力 ポジティブシンキング 発信力 向上心 体力、健康 協調性 などなど
汎用スキルを高めるために
専門スキルを身に着けていく必要も当然ありますが、成長していく中でやりたいことが変わったり、もっと魅力的な職業に出会うこともあります。だからこそ、どんな職業に就いても役に立つ汎用スキルを高めていくことは重要です。その汎用スキルを高めるために子どもたちは今からどんな事ができるのでしょう。今回クラスの子どもたちと考えた行動をいくつか紹介します。
【コミュニケーション能力】
・挨拶に一言添える
・会話の中でリアクションを意識する(相槌、表情など)
【時間管理能力】
・5分前行動
・土日の予定を計画して、実行、振り返りをしてみる
【探求能力】
・わからないことをそのままにしない
・いつもと違う選択をしてみる
【継続力】
・宿題を毎日提出する
・毎日地域の方に挨拶をする
【ポジティブシンキング】
・嫌なことがあったときは、リフレーミング(見方を変える)
・苦手な人の良いところを探す
【体力、健康】
・バランスの取れた食事(好き嫌いしない)
・ストレス発散のために適度な運動
まとめ
今回は、「理想の自分に近づくために」というテーマで将来の職業の見つけ方、必要なスキル、スキルを身に着けるまでのアプローチについて紹介してきました。
「理想の自分に近づくために」まずは、「理想の自分」ってなんだろう?を考える必要があります。将来なんて決まっていない。ずっと遊んでいたい。子どものままがいいというのは、大人の楽しさを知らないだけ。
大人って楽しいよ!働くって楽しいよ!って、子どもたちに伝えていきましょう!そして何より、大人が楽しんで働いていきましょう!