浪人時代 1973〜1976年
工業高校を卒業した僕は国立文型を目指して駿台予備校に通う事になる。
英語が得意だった僕は文法の授業に嫌気がさして1か月で行かなくなった。
予備校に行ってくると言っては映画館に向かう毎日を過ごしていた。
最寄りの駅の駅ビル内の本屋でアルバイトをしながらほぼ毎日映画を観るという生活をしていた。
高校時代、バンドをやっていた僕は、音楽雑誌で見つけたバンドメンバー募集の投稿を見つけ応募した。
ギターの腕前を披露すると是非参加してくれという事になりメンバーの一員になった。
ボブ・ディランに影響を受けたリーダーのオリジナル曲のリードギターを担当した。
様々なフェスに参加し、バンドの知名度も上がって行った。1年ほど活動した頃、母に、「あんた、これからどうするの。バンドやって食べていけるの?」と聞かれて返す言葉も無かった。
そんな時、たまたま見つけた新聞記事が気になっていた。
「フランスから帰国の森有正氏が国際基督教大学で教鞭を執る。」という記事だ。
森有正氏の著作は読んでいたのでぜひ、氏に哲学を教わりたいと思い、国際基督教大学に進みたいと思うようになっていた。
浪人して3年目の夏の事だった。