
Allman Brothers Band 「Statesboro Blues」
大学に入ってすぐに仲良くなったのは、圧倒的に多かった私立の進学校出身者ではなくて、多くは公立高校出身の天才肌の奴等だった。
彼らには独特の雰囲気があった。勉強はあまり好きでは無いが、背中のデイパックにはディテクティブストーリーのペイパーバックを忍ばせているような輩ばかりだった。
彼らとは映画や小説、音楽の話で盛り上がった。
シネマフリークを自認してた僕は、仲良くなった同級生等と共に、早速フィルム倶楽部に入った。
浪人している頃、ボブディランのコピーバンドでリードギターを弾いていた僕は大学でもそんなロックバンドをやりたいと思っていたが、そんなクラブはなかった。
シネマ倶楽部には入ったものの、僕らがよく話題にしていたアメリカンニューシネマやヌーベルバーグなどの映画を知る者は部員には少なかった。
倶楽部の部室で僕が浪人時代によく聴いていたオールマンブラザーズバンドの話をすると、話しを聞いた、楽器を弾く仲間が集まりバンドをやろうということになり、取り敢えず、吉祥寺のスタジオを借りて音合わせをすることになった。
僕は浪人時代にコピーをした事があるデュアンオールマンのボトルネックギターを弾いてみた。曲は「ステイツボロブルース」だ。みんな乗ってきた、いい感じに演奏できた。
楽器が弾けない仲間も助っ人に加わり、スタジオを借りてレパートリーを増やしていった。
みんなそれぞれ、演奏したい曲を持ち寄り練習した。
レパートリーが増えてライブをやろうという事になった。
D館のラウンジでボールができる事が分かった。