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 「ヿ 」は「こと」と読む合字

 伊丹十三氏の「日本世間噺体系」を読んでいたら不思議な字が度々出て来るので調べてみたら、これは合字というのだそうだ。カナの一つで、コとトを続けて書いて崩したものらしい。

 博覧強記の伊丹氏らしく、他にも読めない漢字があった。

 「罕ではない」は「まれではない」と読む。

 漢字だけでなく、表現にも僕が知らない、成る程と唸らせる表現がある。

 「やがて鴨南蛮が来た。一口食べたとたんに眼鏡が濛(もう)と曇った。」

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