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夢だった田舎暮らし
1981年、大学を卒業した僕は田舎で家具作りをする夢を叶えるべく職業訓練校の木工科へ進む。1年という短い過程だったが木工の基本をみっちり教わった。
訓練校を卒業した僕は吉祥寺の手作り木工家具工房に就職する。従業員6人ほどの小さな会社だったが元々材木屋だったこともあり、木を知るには打って付けだった。熟練の職人もいて、木工技術も教えて貰う事が出来た。木工を学べ、給料まで貰えて幸せだった。
時はバブルを迎えようとしていた。就職した会社は手作りとナチュラル嗜好のブームに乗って毎年売り上げを伸ばし、ログハウスの輸入、建築販売も始めた。英語が出来、高校の建築科を出た僕がログハウスの責任者となって、入社4年目で取締役になった。
工房が手狭になって来たのを機に山梨に工房の支所を作る事になり、ぼくが支社長になった。社長は山梨県を足掛かりに別荘などにログハウス販売を目論んでいたのだ。勿論、機械も揃えて家具製作も出来た。
東京生まれ、東京育ちの僕には田舎が無かった。学生時代から田舎暮らしがしたかった。その夢が叶ったのだ。