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Photo by
kohrogi
わたしの日記 「ざらついた愛たちよ」
あの子の日記 特別編
出会った人のアンバランスさに惹かれたり引いたりしながら、またひとつ歳をとった。23回目の年齢更新をして数日たち、やかましい道路沿いの小さなカフェでコーヒーにミルクを入れながらこれを書いている。
白いカップに注がれた温かいコーヒー。鼻がつまってよく分からないけれど、たぶんいい香りがしている。限りなく黒に近かった茶色はミルクと混ざって、やさしい茶色に変化した。
そんなコーヒーをスプーンでくるくる混ぜながら、相変わらず真っ白なカップをうらやましく思う。ミルクみたいにコーヒーと混ざりはしないものの、コーヒーの一部になって存在しているコーヒーカップ。
きみってなんて素敵なの。
わたし自身、今までミルクみたいなものになりたくて、友人や恋人の人生に溶けこんで一つの何かになることを望んでいた。それは言葉にすると「永遠」というんだろうか。永遠に続く何かしらの関係を望んでいた気がする。
だけど最近、そうやって一つにはなれないことに気が付いた。どんなに笑いあっても、愚痴を言いあっても、体の一部が繋がっても、誰とも一つになれなかった。
ばらばらのまま、コーヒーとカップみたいな関係でいるのが気持ちいい。
そんなことを考えているうちに、あっという間にコーヒーを飲み干してしまった。カップの底には、コーヒーのざらざらが残っている。わたしも、誰かのなかに少しざらざらを残せただろうか。
残してみたいな。いつか、どこかで。
たのしい Instagram も、やっているよ。
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