読書記録62 2023年4月の本まとめ
新学期、新しい環境、当たり前のように混乱を極めています。
でもちょっぴり楽しいから良いとします。
読んだ本
1.『不屈に生きるための名作文学講義』(2016)大岡玲
本から、著者の内面を見たり、同時代の他の作品との関連を述べたり、とにかく芋づる式の究極系。説明が分かりやすくて、本をただ読むだけで終わらないのがすごいと思った。
2.『三月の5日間』(2017)岡田利規
演劇の台本&説明の本。耳で聞くとそうでもない話し言葉が、セリフとして文字で書かれていると非常に内容理解が大変。舞台を見てみたかったと思った。
3.『吉野朔実は本が大好き』(2016)吉野朔実
本を紹介する漫画(1回2~6p)。海外文学が多く新鮮だった。穂村弘の読書本で知ったが、吉野氏と懇意だったようで穂村氏が漫画に沢山出てきてほっこりした。
4.『つまらない人生入門』(2011)春日武彦・吉野朔実
上記の本にとてもよく登場していた春日先生のエッセイと吉野朔実の漫画のコラボレーション。孤独感・焦燥感・罪悪感などネガティブな○○感について書かれている。
5.『生協の白石さん』(2008)白石昌則・東京農工大学の学生の皆さん
生協のひとことカードへの回答を集めた本。最近最新刊が出たらしくそれを読んだ母に教えてもらった。5年ほど前にブームになっていたとは知らなかった。
6.『フジモトマサル傑作集』(2020)フジモトマサル
買います(まだ本屋さんで見つけられていないが)。ちょっとシニカルで大好きな世界観。
穂村弘と吉田篤弘と森見登美彦の交叉点。
7.『限りある時間の使い方』(2022)オリバー・バークマン
自分の人生は有限であり、何もかもに時間を使うことはできないと自覚することから、本当の人生が始まる。準備期間なんてものは存在しない。はよやれ。という本。
しかし、何をしたいのか分からない場合どうしたら?何をしたいかわからないという時点で、自分の人生を一部ほおりだしているようにも思える。完璧主義と心配性は、「自分の時間をコントロールできる」という幻想から生まれるのか。
8.『空芯手帳』(2023)八木詠美
偽装妊娠をして妊婦の経験をしていくお話。途中から本当に妊娠しているんじゃないかって思えてきた。妊娠してる事実を空想と思い込んでるのか?友達のセリフで「私も離婚した」ってあって主人公も離婚したことになってる?
多分妊娠でも偽装妊娠でもどちらとも読める物語になっているんだろう。
9.『本と店主』(2015)森岡督行
森岡書店の店主が色々なセレクトショップや書店の店主に、大事な本を語ってもらう対話集。
会社勤めではない人々のゆったりとした雰囲気が伝わってくる。「午前0時の森」に出ていた夏葉社の島田さんが本書にも登場し、『昔日の客』の話をしていてまた繋がった。
10.『中庭のオレンジ』(2022)吉田篤弘
吉田篤弘の新刊短編集。長編が好きかもと思った。
『鯨オーケストラ』を読むのが楽しみ。
11.『生協の白石さん 学びと成長』(2012)白石昌則
上記5の続編。農大から転勤した白石さんのQ&A集。
12.『すべての雑貨』(2017)三品輝起
図書館の返却期限が迫っていたので、読まずに返してしまうところだった。絶対に読んでよかったと思う。世の中が雑貨化していくことを、何をしたいのか分からなくなった西荻窪の雑貨店の奥の机からじっと眺めているような論考。全体に通底する不協和音のような、暗闇のような、霧のような雰囲気にぞっとしつつも読み進めてしまう。
13.『都市と都市』(2011)チャイナ・ミエヴィル
もはや何で紹介されてて気になったか思い出せない本。読みたいなと思ってから1年くらい経っている気がする。読み始めたら止まらなく、久しぶりに夜更かしして布団で手が痛くなりながら読んだ。ウル・コーマとか、ブリーチとか、名前の付け方が秀逸だと思った。
14.『きみだからさびしい』(2022)大前粟生
BRUTUSの本特集で面白そうだと思った本。ポリアモリーというのを初めて知った。そうである女性あやめと、あやめに恋する圭吾と、その他周辺にいる人々と、みんな違くてキラキラしている。
15.『太陽と乙女』(2017)森見登美彦
再読。森見登美彦は大学生の間さぞだらだらしていただろうと意気込んで読んだが、そこまでの記述はなくあれっと思った。私がだらだらしているだけかもしれない。
16.『村上さんのいるところ』(2015)村上春樹
2015年の4ヶ月ほど公開された質問サイトに、応募は約37000通。インターネットの威力は恐ろしい。村上春樹が回答した約3000通のうち、抜粋した約500通のやりとりが羅列されている。
フジモトマサルが好きなので手に取ったが、村上春樹の回答が面白くて読んでよかったと思う。しかし色々な質問があるものですね。
『羊をめぐる冒険』だけ読んだことがあるが、ファンからのメールを500通も読んでいるとだんだん「そんな面白いなら読んでみようかな」と思えてくる。
買った本
『電車のなかで本を読む』島田潤一郎
ひとり出版社夏葉社の島田さんの本。サインというか、イラストが可愛くてにんまりした。電車の中で読むぞ。
『整形前夜』穂村弘
上の本を買った古本屋さんで購入。良い品揃えだった。穂村弘の本があると問答無用で買ってしまう。