復路のビスタドームはお祭り騒ぎ
34 .帰りのビスタドーム号
帰りのビスタドーム車内はお祭り騒ぎである。軽食が配られたら、私の座席をぐるりと囲むフロリダ州から来た家族が「飲む?」と白ワインを分けてくれた。ペンスセラーズ一家は全員がミリタリー出身でご夫婦は「19歳で出会ってからずっと一緒にいるの。」と、とても仲良し。妻のメリンダさんのiPhone内写真を見せてもらったら、撮り立てホヤホヤのマチュピチュワイナピチュ登山を始め、ご家族で世界中の海に山に出掛けたマッチョでかっこいい写真ばかり。今回の家族旅行はこの次女が企画してくれた、次女は退軍したあと今は弁護士になったのだという。
「Ayakoはアメリカ映画なにが好きなの?本は?」いろいろ質問してくれる。「プリティウーマン?」と次女さんが冗談めかして聞いてくる。ここで軽率な答をしてはいけないと思い「Cast Awayという映画に出てたヘレンハントが好きだわ」などなど答える。
私が単独で世界一周していると話すとメリンダさんが身を乗り出してきた。根掘り葉掘り聞いてくる。私の英語力はようやくTOEICで700点越えたぐらいだけど、BBT大学のソレイシィ先生の講座「短い文章をなるべく沢山具体的にどんどん話す訓練」を思い出して自分のことを話した。
「私は双子の母親だ。女と男の双子だ。彼らは今、自活している。私のケアを待っている人間は、いま自宅に一人もいない。私はチャンスだと思い1ヶ月の旅に出た。私は双子を同じに扱って育ててきた。常に半分、順番、平等だ。男も女も能力は同じだ。もしも男が100のことができるとしたら、実は女はひとつだけ多い101のことができる。それは生命を産むことだ。女の子はプライドを持つべきだ。女は強くあるべきだ。強い人間だけが優しくなれる。」
ここまで一気に演説したらメリンダさんと次女さんは嬉しそうで泣きそうな顔になって会話に火が付いた。「そうなのよ!WOMENは素晴らしいのよ!あなた凄いわ。もっと話しましょう。女の強さが優しさであることについて。そして女の世界一周ひとり旅について!」ご主人は私の顔と奥さんの顔を見比べて「おいおい、ちょっと待ってくれよ。」という表情になってニコニコしている。妻を見つめる余裕の笑顔には愛情が溢れている。なんて素敵なご家族なんだろう。
このあと車内はファッションショーやダンスタイム、秋田のなまはげのような被り物が登場したりで、賑やかな楽しい時間が過ぎ、あっという間にポロイ駅に着いた。
【ビデオ】ビスタドーム車内の様子
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