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デリー 車窓から見た景色 スラム
99 .スラムと乞食
デリーの街あちこちにスラム街がある。一応電気も引いてひとつの村のように暮らしている。もっと条件が悪いものはモグラのように地面を掘って屋根をつけただけだがそれでも集落になっている。
車が少しでも渋滞するとどこからともなく物売りが現れる。お花、日除けシート、水…。
突然トヨタ車の窓を汚い布で拭き始めドンドンと叩いて「お金ちょうだい」と外で絶叫した少女。大人びた表情だが7歳ぐらい。
お姉ちゃんの真似をして車の窓を拭く。身長90㎝程度だから4歳ぐらいか?運転席からも見えない小ささ。よく轢かれないものだ。
少女たちの母親だと思われる女が道で座っている。スラムにすら住めない乞食だ。
インドを旅していると、余りにも貧しくて、生まれ育ったエリアの外に出る可能性すらない子供がたくさんいるのが分かる。大人びた目をした乞食の少女は、日本に連れてきてお風呂に入れて髪を梳かしランドセルを背負ったらどんなに可愛いことだろう。少女たち二人とも生まれてから一度もバスタブに浸かったことなどないだろう。それでもこうして生きている。彼女たちはこれからの人生でどんな目に遭い続けるのか…。日本という国に産んでもらうことは、とてつもない幸運なのだと気づく。それなのに日本は自殺者が3万人もいて心を病む人が増え続けているなんてどういうことなんだろう。