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「MOTTAINAI」ができるまで


高校生がTwitter投稿用に作成したもの

◉はじめに

青春サウンド全開の「MOTTAINAI」が2023年2月23日から各種サブスクで配信スタート。

この楽曲が誕生して配信に至るまで
2年以上高校生達、山田証さんと過ごした時間を振り返る必要があると思ったのでここに綴りたい。

まず、AGRI CRAFTこと羅久井は東京都あきる野市の旧五日市地区に暮らしている。
今回の主役である高校生達はあきる野市にある
都立五日市高校・ESS国際交流部の部員である。

地元の繋がりだからこそ、今回の楽曲を配信まで持っていけたと確信している。

そして山田証さんは森のシンガーソングライター
現在、大分県臼杵市を拠点に全国を旅しながらコンサートやイベントを実施している。食べられる野草博士&ユーチューバーでもある。


◉山田証さんとのこと

山田さんとは2016年ごろに聖蹟桜ヶ丘で出会い
2020年頃に「木と遊ぼう」という楽曲のコーラスをお願いしたのをきっかけにリモートでの交流が深まり
2021年はリアルでも会う機会が増えていった。



富士の樹海を歩く山田さんとカメラマン

2021年の10月に五日市で会い、河原で語りあった数日後
富士の樹海で原生林を案内してもらったり
本栖湖でダンスしたりと交流が深まった。
山田さんは五日市の面白く最高な人々と元々交流が深い。


◉高校生達との交流の始まり


そんな山田さんと羅久井は20年の12月にESS国際交流部の部員(今回の楽曲収録時には卒業している生徒さん達)とZOOMで交流する機会があった。
山田さんがアラスカプロジェクトというものを掲げ、英訳などお願いできるか?など模索していたので、知人を通じて紹介していただいき交流が始まった。

しかしコロナもなかなか収束しない中、アラスカプロジェクトが厳しいな〜という状況の中、21年の4月に新入生も含めた部員のみんなと
地元の秋川(あきがわ)周辺のゴミ拾いイベントを実施した。

秋川河川敷公園付近のゴミ拾い

羅久井自身も何かに突き動かされ、一人でゴミ拾いを始めた頃に
部員に提案してみたところ、やって見よう!となり実現。先輩達がチラシを作成し人が集まりイベントとして盛り上がった。
そう、この時の新入生の中のメンバーが今回のシンガーソングライター達だ。


◉先輩部員が繋いでくれたもの


その後も、地元の山や川のゴミ拾いを通じて交流を深めていった。

小和田橋付近でパチリ
金比羅山の展望台

6月ぐらいから東京の森をテーマにした楽曲づくりが部活で始まり
作詞を皆でしていった。羅久井も少し参加させてもらっていた。
夏以降、卒業した先輩部員が作曲した「THE森」を1番だけ完成させ
みなの声を録音するお手伝いしたことを書きながら色濃く思い出した。
とても懐かしいし、この時の経験が今の2年生の部員達の糧になり
今回のレコーディングにつながった大切な時間だった。
先輩部員達よ、本当にありがとう!!タスキが繋がる感覚だ。

「THE森」の作曲をした先輩部員

◉「もったいない」というテーマに至るまで

9月の文化祭で曲も発表し、先輩部員達が引退の時期を迎えた。
当時、1年生だった部員達はこれから自分たちはどんなことをテーマに学び
発表し、発信していくか?
部員がとても悩んでいたようで、顧問であり先導者である中村先生が
改めて山田さんとのZOOMミーティングの機会を設けてくれた。

少し久しぶりだったのでご挨拶から

21年の12月にやった内容は、アラスカからみる気候変動がテーマだった。
アラスカプロジェクト改め、どうぶつのすみかプロジェクト発足の手前の時期だった。

山田さんとZOOMで会話中

山田さんが実際にアラスカで撮影してきた自然、動物の写真や
失われていく森林や、パイプラインの現状などをみて
部員達はいろいろ刺激をもらった日になったと感想を聞いた。

22年2月のプレゼンコンテストの様子
東京新聞に掲載された

2月に開催された全国高校生プレゼンコンテストで最優秀賞を受賞した部員達。これを聞いた時、驚いてしまった!
部員とはまだ8ヶ月ぐらいの付き合いの時期だが
すごくすごく成長していたんだな〜と感慨深くなってしまった。
楽しそうにゴミ拾いしたり、いろんなことに前向きで
ちょっぴりわちゃわちゃしているとこが学生らしい。
けど、何かをやり遂げる集中力が素晴らしくて、真剣なんだな〜と
感銘を受けた出来事だった。


◉いよいよ楽曲制作へ

22年4月の五市マルシェの一コマに登場

部員達も2年生になり、新入部員も入ってくるころ
JR武蔵五日市駅前で開催されていた五市マルシェで羅久井がミニステージの担当したり歌っていたところ、2年生の二人が遊びにきていたので
フリートークに参加してもらった。
タイミング良く、秋川リバークリーンナップの宮入さんがエスコートしてくれて、その時間は部員の2人が想いをアウトプットするいい時間になったかな〜と今では思う。

歌詞づくりや曲づくりをどう進めていくか?
山田さんが提案してくれる楽しい手法によって動き出していた。

ZOOMでの曲づくり打ち合わせの一コマ

部員がそれぞれの「もったいない」をテーマに書いた
渾身の歌詞の原石が2つ生まれたり
部員それぞれキーワードをどんどん出して、歌詞っぽく繋げていく作業を
真剣にやっていった結果
曲として成立するほどの「言葉」と「想い」が集まった。

そこから羅久井がタスキを受け継ぎ
作曲と歌詞づくりへ取り掛かった。

◉みんなと過ごした時間が音楽になった

デモ音源ができるまで時間はそんなにかからなかった。
2年生部員のみなと過ごした時間と、1年生の新しい部員達とのやりとりの中で自然に生まれてくる映像やイメージが大きな土台になった。
何より、キラーフレーズ「もったいない」は心づよかった。
歌いやすくて、ついつい口ずさんでしまう感じは?
POPで少しROCK要素もある感じに!と口ずさんでいたら
ぽろんっとできた。
自分自信が好きなAコードがバチりとハマり
自分らしい曲でありつつ、かつてないほどのPOP要素のある曲にできた。
それと同時に歌詞は、部員から預かったものを大切にしながらメロディーにはめながら編集していった。

◉羅久井の中の「もったいない」

もったいないという言葉に共感することがあったから、
メロディーと歌詞にできたことも大きなポイントだ。
現在、羅久井はあきる野市で養蜂家として働いている。(説明は割愛)
22年の1月までは東京の木で家づくりをする工務店の営業マンをやっていたのだが、建築現場ではそれなりに建築端材(お金かけて廃棄)がでることがあり「もったいない」と感じていた。

建築現場の端材をブッロクにして・・・

展示場にきた子供が遊べるように、端材を加工して積木やお絵かきのおもちゃに変換することなどに取り組んでいた。(後にこども向けイベントでも活躍)
また、法人で運営している森暮ら商店の木のアイテムを製造している加工場や、地元の製材所ではカンナクズが大量に日々出てしまう。
引き取り手があれば活用されるが、無ければお金をかけて処分していた。
もったいない!!

かんなクズは香りがいいからプレゼント

こども食堂のお手伝い活動をやらせていただいた時に
かんなクズを好きなだけプレゼントして、香りがいい〜と喜ばれた。

磯沼ミルクファームの磯沼さんとwood factory加藤さん

羅久井の木のアイテムになくてはならない存在、加藤さんが本気で悩んでいたので、八王子の磯沼ミルクファームの敷き材(コーヒーかすなども牛さんの匂い抑えとして活用されている)として活用してもらえるように友人の農家に繋いでもらった。今でもその活用は続いている。

こうした実体験があったので、部員たちが書いた言葉と想いをうまく汲み取れたのではないかと、振り返る。

◉イベントに向けてレコーディング、そして夏を越えて成長

先生もレコーディングに挑戦

22年8月には大会の発表があり、さらには地元のお祭り「ヨルイチ」で活動の発表ブース出展など、いろんな方々に音楽を届けるチャンスがやってきた。9月10月には文化祭などがある。
デモ音源を6月中に部員に共有したのも束の間
7月にはレコーディングに取り組んだ。
今思うと流石に1ヶ月弱で歌詞とメロディーを覚えて、ほぼやったことのないレコーディングに取り組んだわけだから、みんなのパフォーマンスを最大に引き出す事はできていなかった。
でも、なんとか自分達の目指してきた形「音楽」を届けたいという強い想いは伝わってきたので8月前半には部員+先生の声を収録した音源を完成させた。

ヨルイチの様子
文化祭の様子

夏を越えて、秋にもたくさんの方々の耳に音楽が届いたようだ。
形にはなった。しかし何か不完全燃焼のような空気感を感じた。

部員のご家族からストレートに「歌が下手くそ」と言われたというのが
実はかなりみんなに響いていたそうだ。
それを受けて、もう一度レコーディングしたい!と申し出があり
12月と1月に日程を組んだ。
さらに強力なスケットが現れた。音楽の先生で今回の音源で
ソプラノ・サクソフォンを収録してくれた進(しん)さんがみんなの歌唱練習などもしてくれた。
進先生がピアノを弾きながら、部員が練習している光景は本当に素敵で大切な時間を共有できた。

レコーディング当日進先生と部員のピッチ確認

◉レコーディングを終えて

23年1月部員全員のレコーディングが完了

よくものづくりは最高のクオリティーを求められたり、求めていくのだけど
今回こだわったのは、どれだけ高校生達の「今」を音楽に込められるかにこだわった。
自分の音楽は決して理論的でもないし、音符も書けないし読めない。
だからこそ、ライブ感を真空パックすることにアンテナを立てている。
今回の曲で一番届けたかったのは
1番サビ終わりの間奏で2年生達の何気ない会話が録音されている部分なのかもしれない。
この部分しかも、普通にレコーディング中で間奏部分だからだと気を抜いていた部員達の全く意図しなかったテイクだったのだ。
注目してもらいたいのは、間奏あとのBメロの生き生きとした歌声。
会話の後、彼らの本領が発揮されている。
おっと。ついつい熱くなりすぎたのでこの辺で留めときたい。
顧問の中村先生には本当に感謝したい。レコーディング中、部員それぞれきちんとパフォーマンスできているかしっかり見てくれて
この部分は録り直そうなど客観的に意見してくれた。
この場を借りて改めてありがとうございました。
山田さんも遠方からコーラス録音、本当にありがとうございました。

◉MOTTAINAIのこれから
まずは各配信サービスなどで聴いてもらえるととても嬉しい。
映像は部員達が現在制作中である。
「もったないダンス」をすでに開発済みで、地域の保育園児達のかわいいダンス姿も収録予定。
早速、3月18日(土)には五市マルシェのステージでライブ予定。
今年の文化祭や各イベントでは、五日市高校の軽音部などともコラボして
演奏してもらえることも目標にある。
音楽というツールを通じて、環境問題や社会問題を直接解決する事は難しくても繋がりや絆を深めていく事はできることを願っている。
部員達が楽しい高校生活だったと。未来に希望を抱いて歩んでくれることが自分は何より嬉しいのかもしれないと考えている。

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羅久井俊介
サポートご検討ありがとうございます!東京の森の幸せな循環を生み出し、たくさんの笑顔に会いに行けます。いつかお会いできる日を楽しみにしています。