ぼくらがTシャツを作る理由
夏場所が休場になって落ち込む子らと一緒に「シコふんじゃった 」を観る。何度も観た大好きな映画だったがこの10年は観てないなと視聴。
スマイリーの自宅で相撲部に入らないか?と口説くシーンだが、今の目線で観てもスマイリーに日本の痛いところを突かれまくってて、日本は少なくとも30年は変わっていないということがハッキリとする。「日本人はしきたりとか今までやっているからとか精神論バリバリの同調圧力があってオカシイですよね。」と。
オザケンのぼくらが旅に出る理由が好きなんだけど、それからタイトルを拝借して、長期連休恒例の自分を振り返る企画。そもそも俺、どういった理由でTシャツ作り始めたんだっけ??
ぎゅーっと過去に記憶を飛ばす。
天邪鬼が度を越してて、みんなが着てるNIKEとかadidasとか企業ロゴがついてるTシャツが大嫌いで、いつもノーブランドのTシャツを着てた。みんなが行く店には売れ線の企業ロゴのTシャツが並んでいて、絶対に行きたくないし着たくなかった。しかしながら、子供の頃は自分で自由に服が買えるわけでなく、漏れなく我が家にもUNIQLOがやってきた。今でも覚えている朱色のボーダーで首元にはゴシック体でUNIQLOと白抜き字の織ネームタグがついていた。
今では企業イメージが向上して、ファストファッションでは無敵のUNIQLOだったが、初期は悪いイメージしかなかった。体育の授業で友達に見つからないように首元のタグを見えないように着替える。もし見つかったらUNIQLO警察にみつかって袋叩きだ。その時の嫌な思い出があるので、UNIQLOでは下着以外は買わない。別に俺が買わなくてもUNIQLOが潰れることはない。
ペアルックとか人と同じ格好を楽しむ人がいるが、この人たちとは一生分かり合えないだろう。人と服が被ったら一日が憂鬱になる。女子がスカート丈を短くしたりして服を自分色に変えているのを眩しく思った。(ちなみに今の制服のスカート丈は最適になっていて、短くする人はいないそうだ。昔の長すぎるスカート丈が誰トクなんだという謎が残る)
洋服は紳士服屋(青山とか)、古着屋とかで購入した。お洒落ではない、人と洋服が被る確率を下げる策だ。
ということで、確実に人と被りたくなければTシャツを自作するしかなかった。前向きなクリエイター動機でなく、後ろ向きな天邪鬼を満足するための行為でしかなかった。今でも人と服は被りたくない。(息子と娘は別だけど)
そんなこんなでTシャツを作り始めてからの話は以前書いたエントリーを参考にしていただきたいが、最近作ったものを紹介していく。
①娘の手書き文字サイコウTシャツ
10.2oz(オンス)という狂ったオンスのTシャツを発見して早速プリントをしてみる。オンスというのは重さの単位でコットンTシャツで行くと通常5~6ozが主流なので、10.2ozはその倍の綿を使用している。綿を麺に置き換えるならば、特盛なのである。7ozを超えるものをヘビーウェイトと分類するので、これはウルトラハイパーヘビーというかモノ凄いオンスなのである。
そんなスペシャリティなTシャツにプリントしたのが、娘の手書きでなんて書いたかわからない字(記号)をマジフロックというこれまたギャグみたいな商品名のフロッキー素材のシートでプリントする。字の部分をカッティングする方法もあったが、あえて字の部分を切り抜いてみる。娘の字をシートに刻んだような仕上がりになった。娘の一瞬を刻むという感じでとてもいい。
②リンゴとバナナを一緒にすな!Tシャツ
何か楽しくなってきたので続いて、リンゴとバナナを一緒にすなTシャツ。エチレンガスを発するリンゴとバナナを一緒にすると、完熟スピードが上がるから気をつけてな!ということだけが言いたいTシャツ。エチレンの化学式を完全再現し、英語圏の方にもわかるように英訳も付ける。シートの種類が豊富な今でこその一品。
③娘が書いた「文学」シリーズ
娘に50円払って字を書いてもらっている。娘とはビジネスパートナーとしての関係を築いているというわけである。息子にも50円出して書いてもらったが小学校の書生コンクールで入選してしまうくらい上手になりすぎていて、残念ながらTシャツ化は見送る。(息子の字がうまくなるのを残念がる親は少ないと思うが、本当に残念だ。その日の花を摘めならぬ。その日を字を摘めなのだと思う。)
・文学デカ文字Tシャツ
・文学さり気ないTシャツ
・文学キャップ
その他にいっぱい作ったのでまた紹介する。