
ティールを学びたければスパイラルダイナミクスから学ぼう
ティール組織が流行ってますよね。ティール組織というのは”組織”とついてるから勘違いしやすいのですが、形をそうすればできると思いがちです。しかしティールとはそういうものでもないのです。
ティールを掴みきれてない人が多い中、歴史を紐解き順を追って解釈することで少しでもその本質に近づいてもらえたらと思います。
まずこの記事では触りを語ります。
スパイラルダイナミクス
ティールの考え方は元を正すと90年代にクレアグレイヴスという学者が価値観の進化について発見しまとめたものです。
グレイヴスは友人のマズローが馬鹿にされていたのを助けるため人間の欲求の証明をしようとしたのですが、その結果スパイラルダイナミクスにいきつきます。そして、その最初のレベルにしか当てはまらないことがわかり「マズロー残念!」となります。
「なぜ人が正しいと信じることが正しいのか?」
グレイヴスはこの正しいと信じること(価値観、ミーム)が進化していくことを発見しました。そしてそれは社会や組織にも当てはまるのです。
カラー
スパイラルダイナミクスでは以下のように進化のレベルが上がることを色で表現します。
<暖色> <寒色>
1.ベージュ 2.パープル
3.レッド 4.ブルー
5.オレンジ 6.グリーン Tier 1
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7.イエロー Tier 2
8.ターコイス
Tier 1は通常の進化であり、Tier 2は量子的飛躍が必要と言われています。ティールはイエローとグリーンの間くらいのことを言っています。
スパイラルダイナミクスから何がわかるか
カラーごとに重要視される価値観、運営システム、やる気スイッチなどがわかります。それらを用いてチーム運営やマーケティングなどを行うと体系的に取り組むことができます。
日本社会の主カラー
日本社会はブルーです。パッシブヒエラルキー(上意下達)と絶対的秩序を表しています。自己犠牲を中心に回るシステムです。安定性を求め人生の目的と秩序が必要となります。官僚制度の強固さはブルーそのものです。
アメリカ社会の主カラー
アメリカ社会はオレンジです。アクティブヒエラルキー(上下の意見交換)と積極的な自己を表しています。自己表現を中心に回るシステムです。変化の可能性とチャンスを感じ取ります。起業家精神が旺盛なところがオレンジらしいです。
日本社会の進化
日本は第二次世界大戦でレッドからブルーに移行しました。レッドは自己中心的で搾取的、弱肉強食の帝国主義です。アメリカというさらに強大なレッド(オーバーレッド)により叩き潰されてブルーへと移行しました。
スパイラルダイナミクスではレッド→ブルーが最も進化が困難と言われています。力づくのレッドを契約で縛れるようにするには一度同じ土俵で打ち砕くしかないためです。
そして今日本はブルーからオレンジへと移行しようとしてます。見渡すと起業家精神にあふれる人が多くないでしょうか?謎のルールよりも柔軟性を持って結果を出す。それが国のスタンスになったときオレンジへと進化するのです。
進化前の学びを持っている
各カラーは上位レベルが解放されていくようなイメージです。下位レベルはそこに含まれる前提です。ですので、オレンジの組織を作りたければブルーを完了した人間を集める必要があるのです。
例えばブルー的能力の代名詞である契約書、これが読めないとなるとオレンジ的に自在に結果を出すことが困難です。オレンジであるということは”常に”物質的結果を出せるということです。
ティールとスパイラルダイナミクスが混ざってしまいますが、「ティールにすると売上が下がる」というのはそれらの前段階の完了と統合の考えが抜け落ちてます。自在に結果を出せるオレンジ完了メンバーが集まってるのだから結果が伴うのは当たり前なのです。*ティール組織のオレンジは結果を求める状態を表し、スパイラルダイナミクスのオレンジの結果を自在に出せるというニュアンスが減っている。
ティールはスパイラルダイナミクスを再編してる
このように、ティールはスパイラルダイナミクスを噛み砕きつつ、進化についてラフに取り扱うことで誰でも挑戦できるように敷居をさげてくれるノウハウです。一方で、進化というには土台が不足してるために再現性が低くなってしまう傾向があります。そしてその原因がよくわからないということも。
スパイラルダイナミクスは原理原則を取り扱ってるので、進化の前提は厳しいものの、きちんと進化したのなら各カラーの能力や行いには必然性があります。
ティールを参考に上位のカラーのやり方を取り入れるときは、スパイラルダイナミクスから自分たちのカラーを確認し、未完了カラーの要素をリスクに折り込むことで成功に近づくはずです。
最短7年1サイクル
スパイラルダイナミクスでは人間一人が一つのカラーを完了するのに7年~一生かかると言われています。それは最短7年で環境の良し悪しが一巡するため、すべての経験を得て次に進化するということを表します。
中心人物のカラーを上回る組織を作った場合、前提の不足から環境の良し悪しを乗り越える力が不足しがちです。
ティール組織で見落としがちなことを中心に語りました。今後はそれぞれのカラーの特徴や派生理論、カラーの当てはめなど少しずつ書いていきます。
より詳しく知りたい方はぜひともいいねやコメントください。