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ピアノがなぜ12音階なのかの話
ピアノを見ていると、「なんで白鍵が7個、黒鍵が5個で12音階なの?」って思ったことはありませんか?
今年、私はピアノを独学で始めたのですが、これまで気にしたことのなかったことが急に気になり始めました。
息子の夏休みの自由研究で一弦のおもちゃギターを一緒に作りました。
弦を半分のところで押さえて音が変わるのを試したり、2/3のところで音がどうなるかを実験しました。
どこで弦を押さえても音が鳴りますので、そのとき「音階ってどうやって決めたんだろう?」という疑問が湧き上がりました。
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12音階がどうやって決まったのか、なぜ12音階で十分なのかを紐解いてみます。
音階の起源:ピタゴラスと倍音の秘密
ピアノの12音階のルーツは、紀元前にまで遡ります。
数学者で哲学者のピタゴラスが音楽の法則を見つけたのが始まりです。
例えば、おもちゃのギターで弦をちょうど半分の長さで押さえると、もとの音より1オクターブ高い音が鳴ります。
この比率は2:1で、これが1オクターブの基本です。
さらに、ピタゴラスは弦を3分の2の長さで押さえることで五度上の音("ソ")が出ることを発見しました。この"ド"と"ソ"の組み合わせは、倍音が多く重なるため、とても心地よく聞こえます。
この発見を基にして音階を作り上げていくと、12個の音が自然に生まれます。順番に並べるとこんな感じになります:
ド -> ソ -> レ -> ラ -> ミ -> シ -> #ファ -> #ド -> #ソ -> #レ -> #ラ -> ファ
こうしてできた12音階が、ピアノや多くの楽器で使われている音階の基盤となります。
なぜ12音階で十分なのか?
「もっと細かい音階があってもいいんじゃない?」と思いますが、この12音階が最も自然な調和を生むようにできています。
音楽理論では、倍音列という考え方が重要です。
ある音を鳴らしたときにその周波数の整数倍で鳴る音の集まりのこと。
ピタゴラスが発見したように、この倍音列を基にすると、12音階がちょうど良いバランスを持っています。
さらに、ピアノでは「平均律」という調律法が使われています。
これは12の音を均等に分けることで、どの調でも安定してハーモニーが奏でられるように工夫された方法です。
このおかげで美しく響くようになっています。
細かい音階は必要ないの?
技術的には、もっと細かい音階を作ることもできます。
実際、電子音楽や一部の音楽ジャンルでは「マイクロトーン」と呼ばれる半音よりも小さな音程が使われています。
多くの人が12音階の音楽を心地よく感じるのには理由があります。
それは人間の耳がこの12音階に基づく調和を感じやすいように進化しているからだと言われています。
一方で中東やインドの音楽では12音階とは異なる音階が使われていて、これもまた魅力的です。
でも世界中で普及している音楽の基準としては、やっぱり12音階が一番しっくりきます。
息子との実験で気づいたこと
おもちゃのギターで遊んでいるとき、弦を押さえる場所によって音が変わるのがすごく面白かったです。
特に2/3の位置で押さえると「ソ」の音になるというのを知ったとき、「なんでこんなに気持ちいい音なんだろう?」と感動しました。
その後、ピタゴラスが発見した法則を知って、「これが音楽の基本なんだ!」と一気に理解が深まりました。
単なる自由研究だったはずが、音楽の奥深さを知るきっかけになりました。
まとめ
ピアノの12音階は、ただの偶然や伝統ではなく、数学的にも音楽的にも最適化された結果であることには驚きました。
ピタゴラスの発見から始まり、平均律へと進化してきた音楽の歴史を知って、ピアノがもっと面白く感じられました。
このワクワク感を共有できたら嬉しいです。