ロシアと北朝鮮の深い関係。ロシアは、北朝鮮のミサイルや核実験にも深く関与している
【中村逸郎にきいた】北朝鮮の核実験を支えているのはロシア
中村逸郎 筑波大学教授 2021/04/21
北朝鮮とロシアの関係 41:10~
【動画内要旨】
ロシアと北朝鮮のパイプ役・キーパーソン
ハサン駅 (ロシア側の最終駅)までは(北朝鮮から)単線で線路が来ているが、そこからは(ロシア国内に向けて)7本ぐらいに分かれて、北朝鮮にいろいろな物資を送り込んでいる。ロシア政府が送っている。
それの闇(取引)をやっているのが、ウラジオストクで会ったパク氏(朝鮮協会会長)。
ハサン村は国境地帯で入れない。だけど、そこに行った(笑)
中村氏「私は、北朝鮮とロシアの国境に行きたいという夢がある」
パク氏「無理だよ。ハサン村っというのは、外国人が入ることは一切できない。特別な入域許可書がなければロシア人も入れない。KGB、今の連邦保安局の許可がないとダメ」
中村「明日行きたいから、手続きをしてください」
パク「無理だよ。半年前に申請しないと許可が下りない」
中村「明日、あなたと一緒なら大丈夫でしょ?」
パク「ダメだよ」
中村「じゃあ明日の朝までに、本当に私がそこに行けないか連邦保安局に問い合わせてほしい」
パク「試みてみる」
翌朝「貴方が北朝鮮との国境に行くのは望ましいことではない」との回答。
ロシアでは、禁止されていないという意味で、OKということ。
白タクの運転手に頼んで、ハサン村まで片道4時間ぐらい。
ハサン駅に付くと、北朝鮮とロシアは1本の線路で繋がっているが、そこからは7本ぐらいのレールに広がっている。その時は18両編成位の貨物が止まっていた。
2018年当時のことで、ロシアを含め北朝鮮に対して食糧支援をしてはいけないという国連決議があったが、実際にはロシアが食糧支援・経済支援をしている現実があった。
それをやってたのが、パク(ウラジオストク在住)さん。彼はプーチンと仲が良くて、ロシアと北朝鮮のパイプ役・キーパーソン。ロシア政府の許可を得て、ウラジオストクに一旦北朝鮮に必要な物資を集め、そこから北に送っている。
ロシアは、北朝鮮のミサイルや核実験にも協力
北朝鮮とロシアの関係は深いなと思った。
北はミサイルや核の実験をやるが、あれだけ正確にICBMを目標海域に落とすと言うのは、北の技術ではありえない。
自衛隊の人に直接聞いたが、高度400kmまで上げて、日本の排他的経済水域に正確に落とすのは、相当な技術が必要。0.1度違うだけで、日本の領土に落ちてしまう。
北の核実験も、山の中でやるが、一番難しいのは穴の掘り方。
山の中をぐるぐる複雑に掘らないと、放射性物質が外に出てしまう。
山がつぶれてしまう可能性もある。
この技術が北にあるわけがない。
ロシアが掘っている。
実は、ロシアの新聞にはそういうことが出ている。
リベラル系のメディアはロシアがこんな悪いことをしているということを誇り高く書いたりする。
北朝鮮がICBMを打つ2日前に、日本海で操業しているロシア船が全部姿を消す。
核実験するときも、ハサン村には800人のロシア人が住んでいるが、10日前にウラジオストクに全員が避難する。
ロシアが北朝鮮を支援する理由
北朝鮮や韓国と友好関係を結ぶことにはロシアにとって大きなメリットがある。
サハリン(旧樺太)の北で天然資源、特に天然ガスがよく採れる。
ロシアは、その天然ガスを東南アジアに売っているが、そのパイプラインはウラジオストクで止まっている。
ウラジオストクの港は冬に氷が浮いていて出荷できない。
ロシアは、このパイプラインを北・韓国を通して釜山まで繋げたい。
そうすれば年間を通して、タンカーで輸出できる。
電力不足の北朝鮮にとっても、天然ガスが手に入り、ガスの通過料も得られる。
韓国は100%液化天然ガスを輸入しているが、パイプラインで直接入れば、電気料金が4割安くなる。
ラブロフ外相が、2021年3月に韓国を訪問し、話したのがこのパイプラインの話。プーチンは、この構想を10年前から実現したかった。
ロシアが、次に狙っているのは韓国。日米韓を切り崩そうとしている。
*以上が動画内の要旨
【参照】
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