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『AI搭載ロボットアームが食品の盛り付けの対応可能に。人件費が安い日本ではイノベーション遅れの懸念』~【web3&AI-テックビジネスのアイディアのタネ】2024.7.18

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■「手作業が早い」食品工場でロボット化、盛り付けも完璧に

ロボットはさまざまな工場で導入されているが、加工食品の工場ではこれまでなかなか導入が進んでいなかった。扱い方が異なる多種多様な材料を使っているため、柔軟に対応できる人間のほうが手っ取り早いからだ。

だが、AIの進歩によってその状況も変わりつつある

物価高と人件費の高騰にあえぐアメリカなど先進諸国では、いかに人間をAIやロボットに置き換えて人件費経費を抑えるかが注目されています。

日経BPシリコンバレー支局記者の島津翔さんによると、「スーパーマーケットで食材を買う時の物価は東京とあまり変わらないが、その食材を人間が料理して人間がサーブするレストランになると、とたんに値段が跳ね上がって日本の3~4倍となる」と、ラジオ番組で人件費が物価高につながっていることを伝えています。

今回ご紹介するAI搭載ロボットアームによって、これまで人間でしか対応できなかった、または人間の方が柔軟性が高く対応しやすかったとされる「食品の盛り付け作業」についても、AIの進化によって人間からロボットアームへの置き換えが可能になることを紹介しています。

特に冷凍食品の分野では、シェフ・ロボティクスが開発したシステムが注目されています。


人間の手でしかできなかった盛り付け

以前は、形が不規則で柔らかい食材や、複数の具材が混ざった料理は、ロボットでは対応が難しいものでした。例えば、サラダやシチュー、寿司などは、各具材の位置や量を微調整する必要があり、人間の熟練した技術が求められていました。

AI搭載ロボットアームの進化

しかし、AI技術の進化により、ロボットアームがこれらの難しい盛り付け作業にも対応できるようになりました。カレーやパスタなど、多様な具材が混ざる料理も、視覚認識と精密な動作制御で正確に盛り付けることが可能になりました。特に冷凍食品市場向けでは、手作業の効率化と品質の向上が期待されています。

人件費の高さがロボ導入を後押し

シェフ・ロボティクスのCEO、ラジャット・バゲリアによると、1本のロボットアーム付きシステムの年間コストは13万5000ドル未満だとしています。日本の感覚では高く感じますが、アメリカでは典型的な労働者の人件費よりも低く、長期的にはコスト削減が期待できると考える価格帯です。

人件費が高い国では、AI搭載ロボットアームの導入が相対的に安くなります。高い人件費を削減しつつ、生産効率を向上させられるため、企業はロボット技術を積極的に導入する動機付けがとても強くなります。

人件費が安い日本では導入が進みにくい課題

一方で、日本のように人件費が相対的に安い国では、AIやロボットアームの導入が進まない可能性があります。短期的には人間による作業の方がコスト効率が良く、また初期投資をする余力がない景気の悪さもあり、AI化、ロボット化への動機づけが弱いのが現状です。

しかし、長期的にはテクノロジーによるイノベーションが遅れ、国際的な競争力の差が広がる懸念があります。


まとめ

今回のシェフ・ロボティクスのAI搭載ロボットアームのように、これまで人間でないと対応が難しいと考えられていた分野にもAIの進化によって状況が変わりつつあります。

特に人件費が高い国では、AIやロボティクスの経済的利点が大きく、導入が進む傾向にあります。一方で、人件費が相対的に安い国では、短期的なコスト効率の観点から導入が進まない可能性があります。

しかし、テクノロジーによるイノベーションの遅れは、長期的な国際競争力の低下を招く可能性があるため、企業は戦略的な視点から技術導入を検討することが重要です。

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