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『AIとの2時間の会話で「デジタル・レプリカ」スタンフォード研究で中間管理職が不要に⁉』~【web3&AI-テックビジネスのアイディアのタネ】2024.11.25
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■AIとの2時間の会話で「そっくりさん」、スタンフォードら新技術
あなたの性格、価値観、行動パターンを再現する「デジタルの分身」。スタンフォード大学などの研究チームは、AIとの2時間の対話だけで、その人らしさを85%の精度で複製できる技術を開発した。
「そっくりさん」なんて軽いタイトルになっていますが、この研究の重要性と影響度の大きさはそんなに軽いものではありません。
スタンフォード大学とグーグル・ディープマインドの研究チームが、画期的な研究結果を発表しました。わずか2時間の会話形式インタビューを通じて、個人の性格、価値観、行動パターンを85%の精度で再現できるAIシステムの開発に成功したとしています。
この研究では、年齢、性別、人種、地域、教育、政治的思想が多様な1000人の参加者がAIと2時間対話してAIエージェントを作成したそうです。AIエージェントの模倣再現度の確認をした結果、エージェントと人間の回答の間に85%の類似性が確認されたとのことで、わずか2時間の会話で「自分の判断を概ね再現できるAIエージェント」ができたとのこと。
自分の代わりに判断してくれるAIエージェントは、まぁ作れるだろうが、インプットしなければならない情報量が多すぎて現実的ではない。と考えられていたところ、「わずか2時間のAIとの会話で自分のレプリカAIが作れる」としたところが衝撃的です。
従来のAIとの決定的な違い
この技術が従来のAIと大きく異なるのは、単なる作業効率化や業務自動化を超えて、人間の本質的な部分―思考パターンや判断基準―を再現できる点です。
これまでのAIが目指してきた汎用的な対話や業務支援とは一線を画し、特定の個人の完全な模倣を実現しています。
つまり、自分と同じ判断ができるAIエージェントが誕生するわけで、ChatGPTにアイディア出しのブレスト相手をやらせたり、Siriやアレクサがちょっと賢くなるような方向性ではないということが決定的な違いです。
中間管理職が不要に
自分のレプリカを簡単に作れるAI技術の登場により、特に中間管理職の役割は大きく変わることが予想されます。日常的な判断や業務管理の多くをAIが代替する一方で、人間の管理職には、より戦略的で創造的な役割が求められるようになるでしょう。
つまり、管理職から管理業務がなくなり、リーダーとして事業や人を牽引する仕事だけが残る時代になります。
身近なところでは、会議を減らせます。自分と同じ判断をするAIエージェント同士で議論させれば、結論は一瞬で出るはずです。
新人時代に常にAIエージェントのサポートが得られるようになるのも良い変化です。中間管理職はつまりベテランです。そのベテランが新人教育に時間を割くことなく本業に邁進できるようになり、新人はベテランAIにいつでも質問やサポートを受けられるようになります。
中間管理職は確かに不要になります。しかしそれは失業を意味するのではなく、不要な管理業務から解放されると捉える方が健全です。
AI時代に必要なメンタリティ
好むかどうかに関わらず、判断を代行するAIエージェントは間違いなく普及します。直接的に自分の仕事がなくなってしまう人も多く登場するでしょう。
しかし、そんなAI時代においても、AIとの関係においては対立ではなく補完的な関係を構築する視点が重要だと考えます。犯罪への悪用は規制されるべきですが、ビジネスシーンへのAIの導入を規制することで人間の雇用を維持するような施策は不可能です。
否応なく来るAIエージェント時代
AIによる「人間シミュレーション」時代の到来は、「人間らしさとは何か」という根源的な問いを投げかけるものです。「AIが仕事を奪う」ことへの懸念はずっと以前から言われていましたが、AIの普及を抑制することは不可能です。
AIエージェントの普及は、ホワイトカラー、中間管理職が最も影響を受けます。しかも、かなり先のことだと思われていたところ、案外早くAIによる仕事の置き換えが進む可能性が、今回の研究から示唆されています。
AIが普及しないでほしい、AIは規制してほしい、この世からAIがなくなってほしい。そうとしか読み取れない主張が新聞の社説などから発せられることがありますが、願ってもAIは普及するものです。
否応なく来るそんなAIエージェント隆盛の時代に向け、むしろ人間サイドは効率や生産性の追求だけでなく、創造性、感性、関係性といった人間ならではの価値を再評価し、それらを活かした新しい働き方や生き方を模索する時期に来ているだろうと思います。