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『耳がかゆくならないイヤホンが欲しい!NTT、世界初の開放型ヘッドフォン向けノイズキャンセル技術』~【web3&AI-テックビジネスのアイディアのタネ】2024.11.16

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■NTT、世界初の開放型ヘッドフォン向けノイズキャンセル技術

ラジオ好きの悩み

私は一日中ラジオを聴くのが趣味で、時には12時間以上カナル型イヤホンを装着していることがあります。しかし、長時間の使用で耳がかゆくなるのが悩みでした。

これまでオープンイヤー型のヘッドホンも試してみましたが、外界の音が大きく耳に届き、ラジオの内容が聞き取れないことが多く、結局使用を諦めていました。

近所を散歩する時は首掛けヘッドホンを使うこともありますが、車が通るとラジオの音声が聞こえなくなります。かといって音量を上げると、周囲の人にラジオが丸聞こえになってしまい、それはそれで恥ずかしい思いをします。

NTTが開発した新技術

そんな中、NTTが画期的な技術を発表しました。耳を塞がないオープンイヤー型ヘッドホンで、高性能なノイズキャンセリングを実現する技術です。1,000〜3,000Hzで最大13.7dB、平均7.8dBの騒音抑圧を実現し、特に航空機内での評価で効果を確認したとのこと。

自転車の「ながらスマホ」規制

ちょうど2024年11月1日から自転車運転中の「ながらスマホ」に対する罰則が強化され、イヤホンを使用してスマートフォンを注視する行為も規制対象となりました(※)。

(※)道路交通法には、自転車でのイヤホン使用を直接禁止する規定はありませんが、東京都・神奈川県・埼玉県では道路交通規則第8条でイヤホンをして自転車を運転すること自体が禁止されているなど、自治体ごとに直接規制する条例を設けているところがあります。

しかし、自転車で長距離ツーリングをする際、道に迷うよりは適切にナビで道案内され走ることに集中できた方が安全なはずです。音声を耳に届ける方法がなければ、自転車のホルダーにつけたスマホのナビ画面を見るしかなくなります。

技術の進化と規制のずれ

最近では、AppleのAirPods Pro 2がアメリカで補聴器として認められるなど、イヤホンの使い方は多様化しています。むしろ外音をよりよく聞くためにイヤホンを使うという逆転の発想も生まれています。

警察による取り締まりは、イヤホンが耳に入っているという外形的事実で判断されがちです。しかし、これからは装置の性能や使用目的に応じた、より柔軟な規制が必要でしょう。

スマートグラス時代に向けて

現在、街中ではイヤホンを使用していない人の方が多数派です。つまり、耳を塞ぐことに慣れていない人が多いということです。

スマートグラスが普及していく中で、視覚情報だけでなく音声での情報伝達は重要になります。ずっと目を使うのは疲れるためです。しかし、スマートグラスをかける時に必ず耳にイヤホンを突っ込むことを嫌がる人は少なくないでしょう。

NTTの技術なら、耳を塞がずに情報を届けながら、その情報が周囲に漏れることもありません。これはスマートグラスの普及を後押しする重要な要素となるはずです。

耳がかゆくならないノイキャンイヤホンがほしい

既に「nwm(ヌーム)」ブランドのオープンイヤーヘッドフォンは発売されていますが、フラッグシップ製品の「nwm ONE」には周囲への音漏れを防ぐためのノイズキャンセリング技術が搭載されているのみで、騒音を耳に届けないように防ぐ方向のノイズキャンセリングは搭載されていません。

今回は騒音を消す技術が発表されたわけで、遠くない将来に「nwm」の新製品として登場するのではないかと思います。

加えて、この技術自体を他社の製品にも供与することで、スマートグラスや自転車のヘルメットに内蔵するなどの展開も期待したいところです。

私としては、とにかく耳がかゆくならない快適なイヤホンが欲しい。早く製品化を!と期待が募ります。

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