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『JR東が「鉄道版生成 AI」開発へ AIに上手に使われる人間になれ!』~【web3&AI-テックビジネスのアイディアのタネ】2024.10.10

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■JR東が「鉄道版生成 AI」開発へ 鉄道固有の知識を学習、経験浅い社員の知識レベル底上げに

最強の鉄道オタクAI爆誕!

JR東日本が開発中の「鉄道版生成AI」は、まさに鉄道好きにとって夢のような存在かもしれません。このAIは鉄道に関する法令や規則、さらには業務のノウハウまで網羅し、まさに"最強の鉄道オタク"です。

というのは冗談として、実際のところは、JR東日本の業態を大きく変え、我々の鉄道に対する常識も超アップデートさせられる未来への第一歩になる可能性を秘めていると感じます。

今回は、そんなJR東日本の「鉄道版生成AI」の取り組みとその狙い、さらにはこの技術が鉄道業界だけでなく広がっていく可能性について掘り下げてみましょう。

JR東日本の鉄道版生成AIの取り組み

IT Media AI+より引用

JR東日本は2027年度末の完成を目指して開発中の「鉄道版生成AI」。このAIは鉄道に関する法令・規則、業務ノウハウなど、これまで個人に依存していた知識を集約し、社員全体の業務効率向上を目指すとしています。

例えば、これまでベテラン社員が持っていた運行管理やメンテナンスのノウハウをAIが学習することで、若手社員でも同じレベルのアドバイスを得ることができます。ベテランが隣にいなくても、まるでベテランのサポートを受けているかのような環境を作り出すことで、社員の育成スピードが飛躍的に向上することが期待されています。

また、鉄道設備の保守や車両のメンテナンスに関しても、過去の事例や注意点をAIが学ぶことで、作業の安全性を高め、事故の予防にも寄与します。AIは鉄道業界の隠れた知識を学習し、社員のサポートにとどまらず、業務の安全性と効率性の向上に大きく貢献するでしょう。

つまり「鉄道版生成AI」は、人間の鉄道職員に知識を伝承する「先生」の役割を期待されており、あくまでも人間を教育するためのツールだと、今のところ位置付けられています。

知識の伝承だけではない、AIの真の狙い

しかしおそらく、AIの開発目的は、単に知識を人間に伝承する「先生」としての役割にとどまりません。その先には、鉄道業務のさらなる自動化や無人化を視野に入れた取り組みが存在しているはずです。

AIに集約された知識を、鉄道車両や運行システムに対して教え、指示することで、鉄道の運行そのものや保守作業がより自律的かつ効率的に行われるようになる可能性があります。

例えば、AIがリアルタイムで運行状況を監視し、ダイヤの調整を自動で行うことで、列車の遅延を最小限に抑え、スムーズな運行を実現することが可能です。また、運転士や車掌の業務をAIが代替することで、無人運転の実現に近づき、夜間や過疎地の運行コストを削減し、サービスの維持が容易になるかもしれません。

さらに、鉄道設備のメンテナンスについても、AIが故障の予兆を検知し、最適なタイミングでメンテナンスを行うことができます。これにより、設備のダウンタイムを最小限に抑え、運行の安全性と効率を向上させることが期待されます。

物理的な車両やレールのメンテナンスがロボット化されれば、まさしく無人の鉄道運行が実現します。ロボットまでは現時点では飛躍しすぎだとしても、人手不足の昨今、時々の技術レベルで可能なところから順次AIに切り替え、省力化・無人化する狙いがあるはずです。

未来の鉄道はAIで運行も経営も無人化?

「鉄道版生成AI」が発展しきった未来には、鉄道運行や鉄道職員の数、鉄道会社の経営に大きな変化がもたらされるでしょう。

まず、運行の完全自動化が進み、AIによるリアルタイムな運行管理とトラブル対応が一般的になると考えられます。無人運転が普及することで、人件費の削減と運行コストの低減が実現し、特に地方路線のように収益性の低い路線でも、コストが下がることで運行継続が可能になり、地域社会にとっても大きなメリットとなるでしょう。

また、職員の役割にも大きな変化が生じます。運転士や車掌といった現場職員の数は減少する一方で、AIシステムの管理やメンテナンスを担当する新たなスキルを持つ職員が必要とされるようになるでしょう。現場でのトラブル対応や緊急時の対応においては、引き続き人間の判断が求められる場面もありますが、その役割はより高度な問題解決に特化されることになります。

最終的な判断は人間がする、というのも、いつまで続くかわかりません。経営面でも、AIによる自動化がコスト削減を促進し、収益の向上が期待されます。予算計画、人員計画、投資計画などもAIが担うことで、人間の経験と勘に依存しない合理的な経営が実現するとしたら、経営判断もAIが行う未来はあり得るでしょう。

鉄道業界に留まらないAIの影響

このようなAIの導入による自動化の波は、鉄道業界に限ったものではありません。多くの産業で同様の変革が進むはずです。

例えば、製造業ではAIによる生産ラインの自動化が進み、スマートファクトリーの実現が進行します。農業でも、AIを活用した精密農業や無人トラクターの導入が労働力不足の解消に役立ちます。医療業界では、AIが画像診断や病歴データの解析を行い、医師の負担を軽減しつつあります。物流業界でも、AIによるルート最適化や倉庫の自動化が進み、配送効率の向上が図られます。

このように、AIはあらゆる業界で業務の効率化、自動化、コスト削減を促進します。

JR東日本は「鉄道版生成AI」と、鉄道業界や自社=JR東日本に特化したAIの開発を発表しましたが、業界別・自社専用のAIの開発と導入は、あらゆる業界で一気に進む可能性があると考えています。

AIに上手に使われる人間になれ

JR東日本が開発中の「鉄道版生成AI」は、鉄道業界における知識の共有と業務効率の向上を目指すだけでなく、無人化や自動化の未来を切り開く可能性を秘めています。そしてこの変革は鉄道業界に限らず、他の多くの産業でも進行します。

AIによる自動化と効率化の究極のかたちは無人化です。多くの業界で無人化や圧倒的省力化が進めば、社会全体の働き方を大きく変えるでしょう。

最強の鉄道オタクAIの誕生から始まるこの取り組みの行きつく完全無人化された社会の中で、人間は何をすればいいのでしょうか。

よく「AIをツールとして使いこなせる人材になれ」のように語られますが、「AIに上手に使われる人間になれ」の方が重要で現実的な解だと個人的には考えています。AIの指示とサポートを得ながら働く、理不尽な振る舞いをしない合理的な経営AIの下で働く、AIが物理的にできないことをサポートする、などが、これからの働き方の主流になると考えています。

そしてこれは、案外ハッピーなことではないかと思っています。経営が安定したところで働ける方がよいですし、AIと会話してみればわかりますが、柔軟で常に優しく意見に耳を傾けてくれます。

ごく一部のAIを使いこなせるエリート人間になることを全員が目指すことを強いられるより、AIに上手に使われる人間、AIに必要とされる人間を目指す方が、多くの人にとっては仕事上のストレスが減る。これが本格AI時代でハッピーな仕事のありようじゃないかと思うのです。

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