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『猫がバスの運転手に…画像生成AIを活用した徳島バスのテレビCM』~【web3&AI-テックビジネスのアイディアのタネ】2024.5.12

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■猫がバスの運転手に…画像生成AIを活用した徳島バスのテレビCM

徳島バス(徳島市)は3月26日から4月末まで、バス運転手を募集するテレビCM「ネコの手も借りたい」篇 、「あざといCM」篇を徳島県内で放映した。運転手の格好でハンドルを握る猫が登場する内容で、制作には画像生成AIを活用している。企画制作は四国放送、SPACE、石田図工室。

「これならできる!」と思わされる、とてもシンプルな生成AIの活用方法です。

CMの映像はここで見ることができます。


画像をAI生成、スライドショーで動画化するシンプルな作りがマネできる

「ネコの手も借りたい」という慣用句を、地方のバス運転手不足になぞらえるアイディア自体はベタなものですが、ネコがバスを運転している姿を実際のCM映像にしようとすると、CG加工がとても大変なはずです。思いついても作れないタイプの映像ですね。

徳島バス「ネコの手も借りたい」篇のワンカット

画像生成AIであれば、このような「猫がバスを運転している」という絵を描かせることはわりと簡単です。

「AIで画像生成したところ、全て要求通りにいかない部分もあり、後付けでPhotoshopなども活用してシートベルトを付ける、車窓を変更するなど調整しています。これからはCMの規模の大小にかかわらず、いろいろな形でAIの使用が一般的になるのだろうと予感しています」(石田氏)。

生成AIで出力したままではなく、CM考査上でNGになる「シートベルト着用」などは後から加工が必要だったそうですが、それでもCGや実物のネコでネコがバスを運転しているシーンを作ろうとするとコストも期間も大変だったろうと思います。

また、画像をスライドショーでつなぎあわせるという映像化の方法も、現実的で、多くの人にマネしやすい方法だと感じました。


ナレーションもAIボイスチェンジャーで映像作家自身が吹き込む

ナレーションにもAIを活用。子どもと男性の声は、AIボイスチェンジャーを活用し、石田氏の声を変換したものだ。

さらに、ナレーションもAIボイスチェンジャーで映像クリエイター自身が吹き込むことでローコスト化しています。

子どもの声のナレーション収録は人選も日程調整も大変で、狙った通りのクオリティを出すのも大変です。

AIがしゃべるText to Speech(TTS)も検討したのではないかと思いますが、今のところTTSはまだまだ違和感がぬぐえません。AIボイスチェンジャーで声質だけ変えるほうが狙い通りに作りやすいと判断されたのでしょう。


OpenAI「Sora」は次元を変える

画像生成AI+スライドショーで動画化する方法は簡易でマネしやすい現実的なAIの使い方だと思いますが、映像としての面白さは劣ります。

それもOpenAIの「Sora」が一般に使えるようになれば、映像制作のシーンは大きく変わるでしょう。

自転車に乗っている男性の頭が風船でできています。
フルCGで作るにしても、実写をCG加工して作るにも、非常に大変です。これが「Sora」なら簡単に作れることを示唆しています。(実際の制作過程はまだわかりませんが)

当然でしょうが、「Sora」はネコも描けます。今回の徳島バスの「ネコがバスを運転している様子」も、静止画のスライドショーではなく運転シーンの動画にできたかもしれません。

「Sora」以外にも動画生成AIはたくさん登場すると見込まれますが、それまでの過渡期において静止画+スライドショーでCMをローコストに作るのは、もっと使われていい手法だなと感じさせられました。


[参考]ネコCMは実写が多い



このイエローハットのCMが一番好きです。アイディアの素晴らしさもさることながら、撮影が大変だっただろうなーと苦労がしのばれます。

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